災害や震災による不眠,その対処方法

■震災直後の不眠は“正常な”反応

震災後の不眠症状は人によってさまざまです。

などです。

の回りに生じた危機的状況に対処するための

不眠の頻度も、毎晩の人もいれば、週に1、2晩程度までまちまちです。

通常の場合には、危機的状況から抜けだし不安の原因が解決するにつれて、情動的過覚醒は自然に緩和されて、不眠症状も改善していくといわれています。

震災などの大きな精神的なストレスがかかった直後に上記のような不眠症状がでてくるのは決して珍しい
ことではなく、個人差や日によって変動もあるでしょう。

■災害、震災時に起きやすい症状

被災すると、ストレスによるさまざまな反応が心身に起こります。
宮城県と岩手県で6万3千人あまりを対象にした調査によると、東日本大震災の直後、4人に1人以上が気分の落ち込みを自覚したと報告されています。

動悸・血圧の上昇

ストレスを受けると交感神経が優位になり、心拍数や血圧が上昇します。通常は、このような反応が起こると、これを抑えるために副交感神経が働いて心拍数や血圧は次第に下がっていきます。

不眠・睡眠障害

災害時にストレスが続くと、不眠や睡眠障害が起こりやすくなります。不眠は抑うつを助長します。また、眠っている間交感神経は活動を休め、血圧は低くなるように調節されますが、

首や肩のこり

不安やストレスがあると、筋肉や神経の緊張が高まり、血流が悪くなることで筋肉がこわばります。その結果、痛みを引き起こす疲労物質がたまり、首や肩のこりの原因になります。

こういったストレス反応は、被災すれば誰にでも起こる可能性があります。

症状を自覚したときは、マッサージやリラックス法を実践してみましょう。

■災害、震災時の睡眠不足対処方法

睡眠は様々なことが影響します。

いくつかご紹介させていただくので、ご自身がまずできそうなことから実践してみてください。

一晩で変わる方もいれば、少しずつ変化をされていく方もいらっしゃいます。

①マインドセット

被災による睡眠不足、不眠は正常な身体の反応です。異常ではないことをまず前提にしてください。

不眠があっても淡々と受け止める。日々の生活をこなすことに集中することが必要とされています。

②ウォーキング

被災地でウォーキングなんて・・・となるかもしれません。しかし、ウォーキングはストレス軽減の効果があり、いつでも実践しやすいものです。

③子どもへの対処

子どもが眠れないと、家族全員が眠れないということになりかねません。

ストレスを与えないということが大切になってきます。

④生活リズムを整える

当たり前のことですが、生活リズムを整えるためにできることはたくさんあります

厚生労働省の記事がとてもわかりやすいので、ぜひ参考にください。

以下の画像をクリックしても厚生労働省のサイトへ移動できます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html

⑤可能な限り自分のペースで休む

夜に皆と一緒に眠らなくてはならない、という思い込みはかえって睡眠に対する「身構え」を強くし、不安を高め、消灯すると目が冴えてしまうという「不眠恐怖症」の状態に陥る恐れもあります。

プライバシーのない避難所や知り合いのお宅等、慣れない環境ですごれすを感じながら過ごされている方もいらっしゃると思います。

■不眠に対する判断

8週間を超えてる不眠は、慢性不眠の疑いの可能性があります。

□不眠症状だけではなく、日中に不眠による深刻な問題がある場合は治療が必要になる可能性が高い。

□単なるストレスによる不眠ではなく、うつ病などのこころの病気やその他の睡眠障害による不眠である場合も少なくありません。

高血圧や糖尿病などの生活習慣病をおもちの方では、慢性不眠によって血圧や血糖値が上昇することがしばしばあります。

■避難所の10カ条

睡眠健康大学さんのサイトに掲載されている内容がとてもわかりやすくまとめられていたので、ぜひ参考にください。

避難所の10カ条 (久留米大学の内村直尚先生のアドバイスを参考)

1.プライバシーを守る
→ 周囲からいつも見えないように家族ごとについたてや布なので区切る。

2.夜間は照明を暗くする
→ アイマスクを配る。

3.夜間はできるだけ静かにする
→ 眠れない人や遅くまで起きている人のための別の部屋を準備する。
夜間は携帯を控えるか、別の部屋で話す。無理なら耳栓を配る。

4.入浴が最もよいが、無理ならシャワーや足浴ができるようにする

5.昼間はできるだけ光を浴びたり、身体を動かすようにして活動性を促す

6.可能であればビデオなどを流して気分転換をする

7.どうしても眠れない人は睡眠薬を使用してみるのもよい

8.眠る目的でのアルコールの飲用は控える

9.時計やカレンダーなど日時が確認できるものを身近に置く

10. 一度に長時間眠ろうとしても眠れないので、短時間睡眠を1日2~3回繰り返す。

■まとめ

この記事を書いている私は被災をしたことは正直ありません。

睡眠の専門家として、何か情報をお伝えできれば、何かお力になればと思って掲載させていただきました。

被災による記憶をしないように身体は反応をします。反応することは正常なことです。

しかし、生活していく中でそれをプラスに捉えることは難しいかもしれません。

睡眠専門家として、被災地に何かお力になれればと思います。

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