脳卒中後の片麻痺:徒手療法による腕と手の回復段階-対向つまみのステージは?-

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Brunstromの回復段階とは

Brunstromの回復段階(Brunstrom Approach)は、主に脳卒中患者の運動機能回復を対象とした理論です。このアプローチは、1960年代にスウェーデンの物理療法士であるSigne Brunstromによって開発されました。彼女は、脳卒中後の運動機能回復が一定の段階を経て進むと考えました。各段階は、患者が経験する可能性のある特定の運動パターンや能力を表しています。

上肢(腕)のステージ

stage Ⅰ:弛緩性麻痺
stage Ⅱ:上肢のわずかな随意運動
stage Ⅲ: 座位で肩・肘の同時屈曲、同時伸展
stage Ⅳ: 腰の後方へ手をつける。肘を伸展させて上肢を前方水平へ挙上。肘 90°屈曲位での前腕回内・回外
stage Ⅴ: 肘を伸展させて上肢を横水平へ挙上、また前方頭上へ挙上、肘伸展位での前腕回内・回外
stage Ⅵ:各関節の分離運動

手指のステージ

stage Ⅰ:弛緩性麻痺
stage Ⅱ:自動的手指屈曲わずかに可能
stage Ⅲ: 全指同時握り、釣形握り(握りだけ)伸展は反射だけで、随意的な手指 伸展不能
stage Ⅳ: 横つまみ(母指は離せない)少ない範囲での半随意的手指伸展
stage Ⅴ: 対向つまみ、筒握り、球握り、随意的な手指伸展(範囲は一定せず)
stage Ⅵ: 全種類の握り、全可動域の手指伸展。すべての指の分離運動

石垣のひとこと

Brunstromのアプローチは、リハビリテーションにおいて患者がどの段階にあるかを理解し、適切な治療法や介入を計画するための枠組みを提供します。

しかし、すべての患者が同じようにこれらの段階を経るわけではなく、個々の回復プロセスは大きく異なる場合があります。

脳卒中後の片麻痺における腕と手の回復は、多面的なアプローチが必要です。

徒手療法に特化した作業療法士として、私たちは患者さん一人ひとりの状態に合わせた個別のリハビリ計画を立て、感覚から機能的なスキルまで、段階的に回復をサポートします。

回復は一晩にして達成されるものではありませんが、適切な情報、サポート、そして決意があれば、腕や手の機能改善の方向性は変わる可能性があります。

回復過程は患者さんによって異なり、時間と忍耐が必要ですが、誰しも「脳の可塑性を持っています。

正しいアプローチと継続的な努力により、多くの方が日常生活への変化や改善の可能性を持っています。

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