この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

現代社会において、添加物は私たちの食生活に広く浸透しています。

食品の保存、味付け、見た目の改善のために使用されるこれらの化学物質は、私たちの健康にどのような影響を与えるのでしょうか

本記事では、特に添加物が睡眠に与える影響について、睡眠オタクな作業療法士の視点から詳しく探っていきます。

「あなたの今日の眠りは、“お昼に食べたもの”で決まるかもしれません。」

添加物とは?

まず、添加物について基本的な理解を深めましょう。

食品添加物とは、食品の製造過程や保存期間中に添加される化学物質であり、防腐剤、着色料、香料、甘味料、酸化防止剤などがあります。

これらの添加物は、食品の品質を保持し、消費者に魅力的に見せるために使用されます。

添加物の種類とその役割

防腐剤

防腐剤は食品の腐敗を防ぐために使用され、細菌やカビの成長を抑制します。

代表的なものには、ソルビン酸カリウムやベンゾ酸ナトリウムがあります。

着色料

食品の見た目を改善するために使用される着色料には、合成着色料と天然着色料があります。

合成着色料は安価で鮮やかな色を提供しますが、健康への影響が懸念されています。

香料

食品の香りを改善するために使用される香料も、合成香料と天然香料があります。

合成香料は化学的に合成されたものであり、コストを抑えるために広く使用されています。

甘味料

砂糖の代替として使用される甘味料には、アスパルテームやサッカリンなどがあります。

これらは低カロリーであるため、ダイエット食品や飲料に使用されることが多いです。

人工甘味料が腸内環境に与える影響

種類よく使われる食品腸への影響
アスパルテームダイエット飲料、ゼリーなど腸内細菌の多様性を低下させる研究あり
スクラロースガム、清涼飲料腸内での“炎症系バクテリア”が増える報告も
サッカリン低糖質スイーツ血糖調節にも影響との研究あり(マウス)

🧠 睡眠に必要な「セロトニン」は腸で90%以上作られる

→ 腸内環境が乱れると“眠りホルモン”も乱れる

▼オススメの動画▼

超加工食品が“腸”と“睡眠”に与えるダメージ

【超加工食品とは?】

  • 工場で高度に加工された食品
  • 例:スナック菓子、インスタント食品、冷凍食品、菓子パン、加工肉

【問題点】

  • トリプトファンやビタミンB群など、睡眠ホルモンの材料が不足
  • 食物繊維が少なく、腸内細菌のエサにならない
  • 添加物が多く、腸のバリア機能(tight junction)を傷つける可能性あり

添加物が睡眠に与える影響

睡眠のメカニズムと添加物の関係

睡眠は複雑な生理的過程であり、ホルモンバランス、自律神経系、脳内化学物質の相互作用によって制御されています。

添加物がこれらの要因にどのように影響を与えるかを理解することは重要です。

睡眠の質への影響

一部の添加物は、神経伝達物質に影響を与え、睡眠の質を低下させる可能性があります。

例えば、グルタミン酸ナトリウム(MSG)興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸を増加させ、不眠症や睡眠の断片化を引き起こすことがあります。

ホルモンバランスの乱れ

添加物は内分泌系に影響を与える可能性があり、特にメラトニンの分泌に影響を与えることがあります。

メラトニンは睡眠-覚醒リズムを調整するホルモンであり、添加物がメラトニンの分泌を抑制することで、睡眠の質が低下することがあります。

自律神経系への影響

添加物は交感神経系と副交感神経系のバランスにも影響を与えることがあります。

特に、カフェインやその他の刺激物が含まれる添加物は、交感神経系を刺激し、リラックス状態を妨げる可能性があります。

▼コーヒーと睡眠の関係▼

科学的研究と実証

研究例1: アスパルテームの影響

ある研究では、アスパルテームがラットの睡眠パターンに与える影響を調査しました。

結果として、アスパルテームの摂取がREM睡眠の減少を引き起こし、全体的な睡眠の質を低下させることが示されました。

研究例2: ソルビン酸カリウムの影響

ソルビン酸カリウムの長期摂取がヒトの睡眠に与える影響についての研究では、摂取量が多い場合、入眠までの時間が延びることが報告されています。

研究例3: ベンゾ酸ナトリウムの影響

ベンゾ酸ナトリウムは多くの清涼飲料水に使用されている防腐剤であり、これが不安感や興奮状態を引き起こし、結果として睡眠障害を誘発することがあると報告されています。

▼実際の講座の様子▼

▼添加物を摂取した際にすべき行動▼

添加物を避けるための対策

自然食品の選択

加工食品を避け、新鮮な野菜や果物、未加工の肉類を選ぶことで、添加物の摂取を最小限に抑えることができます。

食品ラベルの確認

食品ラベルを注意深く確認し、知らない添加物が含まれている製品を避けることが重要です。

自家製料理の推奨

自家製の料理を増やすことで、使用する材料をコントロールし、添加物の摂取を減少させることができます。

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眠れる腸活ごはんの基本ルール(行動に落とす)

意識したいこと理由・メリット
できるだけ「まごわやさしい」食材腸に優しい+ホルモン材料の補給
添加物・人工甘味料を「毎日とらない」腸内細菌の多様性を守る
夕食は「3時間前まで」「腹八分」消化にエネルギーを取られないことで深い睡眠に
発酵食品・食物繊維を毎日ちょっとずつ善玉菌を増やし、腸の安定へ

結論

「“何を食べるか”は、“何時に寝るか”と同じくらい大切です」
「睡眠薬より、夕飯の中身を見直す。それが“腸活的・睡眠戦略”です。」

添加物は現代の食品産業において重要な役割を果たしていますが、その健康への影響は無視できません。

特に睡眠に対する影響については、多くの研究が示すように、添加物の摂取が睡眠の質やホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。

健康的な生活を送るためには、添加物の摂取を最小限に抑え、自然な食品を選ぶことが重要です。

よくある質問 (FAQ)

Q1: 添加物を完全に避けるための具体的な食事プランを教えてください。

A1: 添加物を避けるための食事プランとしては、以下のポイントを参考にしてください

  • 朝食: フレッシュな果物とヨーグルト、全粒パンとアボカド
  • 昼食: グリルした鶏肉と季節の野菜サラダ、オリーブオイルとレモン汁のドレッシング
  • 夕食: 焼き魚と蒸し野菜、玄米
  • スナック: 無添加ナッツ、フレッシュジュース

Q2: 添加物の影響を軽減するためにできるライフスタイルの変更はありますか?

A2: 以下の方法があると考えております。

  • オーガニック食品の選択: 無添加のオーガニック食品を選ぶことで、添加物の摂取を減らせます。
  • 水分補給: 十分な水分を摂ることで、体内の毒素を排出しやすくします。
  • 適度な運動: 定期的な運動は、代謝を促進し、添加物の排出を助けます。
  • 十分な睡眠: 質の良い睡眠を確保することで、体の回復力を高めます。

Q3: 添加物の摂取が避けられない場合、どのように影響を最小限に抑えることができますか?

A3: 添加物の摂取が避けられない場合は、以下の対策を講じることができます

  1. バランスの取れた食事: 添加物を含む食品を摂取する場合でも、栄養バランスの良い食事を心掛ける。
  2. 抗酸化食品の摂取: 抗酸化作用のある食品(ベリー類、緑茶など)を摂取することで、添加物による酸化ストレスを軽減できます。
  3. デトックスプログラム: 定期的にデトックスプログラムを行うことで、体内の添加物の排出を促進します。

Q4: 子供に対する添加物の影響について教えてください。

A4: 子供は大人に比べて添加物の影響を受けやすいため、以下の点に注意が必要です

  1. 発達への影響: 一部の添加物は、子供の神経発達や行動に悪影響を及ぼす可能性があります。
  2. 食物アレルギー: 添加物がアレルギー反応を引き起こすことがあります。アレルギー症状がある場合は、添加物の含まれる食品を避けるようにしましょう。
  3. 自然食品の提供: 子供にはできるだけ自然食品を提供し、添加物の摂取を最小限に抑えることが重要です。

Q5: 添加物に関する信頼できる情報源を教えてください。

A5: 添加物に関する信頼できる情報源として、以下のサイトや機関を参考にしてください

  • 厚生労働省: 添加物に関する基準や規制について詳細な情報を提供しています。
  • 食品安全委員会: 食品の安全性に関する評価を行い、科学的根拠に基づいた情報を発信しています。
  • 国際食品規格委員会 (Codex Alimentarius Commission): 国際的な食品基準を策定し、添加物の安全性に関するガイドラインを提供しています。

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引用文献

  1. Olney JW. Excitotoxins in foods. Neurotoxicology. 1987;8(3):493-500.
  2. Mahmoud AM, Yang W, Bosland MC. Soy isoflavones and prostate cancer: a review of molecular mechanisms. J Carcinog. 2014;13:14.
  3. Abegunde DO, Mathers CD, Adam T, Ortegon M, Strong K. The burden and costs of chronic diseases in low-income and middle-income countries. Lancet. 2007 Dec 8;370(9603):1929-38.