この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

なぜ「朝バナナ」が睡眠に効く?

現代社会では睡眠不足や質の低下が深刻な問題となっています。夜更かしやスマホ使用といった原因に目を向けることも大切ですが、意外な解決策が「朝バナナ」にあります。

バナナは睡眠に欠かせない栄養素が豊富に含まれており、朝食に摂ることで夜の眠りをサポートします

この記事では、科学的根拠をもとに朝バナナの効果を解説します。

バナナに含まれる睡眠改善成分

1. トリプトファン

バナナにはトリプトファンという必須アミノ酸が含まれています。

この成分は脳内でセロトニンに変換され、さらにメラトニンという睡眠ホルモンの材料になります。

2. マグネシウム

マグネシウムは筋肉をリラックスさせ、神経の興奮を抑える役割があります。

夜にぐっすり眠るためには、このミネラルが欠かせません。

3. ビタミンB6

トリプトファンからセロトニンを生成する際に必要不可欠な栄養素がビタミンB6です。

バナナにはこの成分が豊富に含まれており、神経伝達を円滑にします。

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朝にバナナを食べるメリット

1. 簡単で続けやすい

朝は特に時間が限られており、手間のかかる朝食は続けにくいものです。

しかし、バナナは皮をむくだけで手軽に食べられるため、調理時間が必要なく、忙しい朝でも取り入れやすい食品です。

また、バナナは持ち運びも簡単で、通勤や通学途中に手軽に食べることができます。

さらに、冷蔵保存も不要で、常温で数日間保存できるため、買い置きしておいてもすぐに傷む心配が少ないのもポイントです。

忙しい現代人にとって、簡単に食べられる上に栄養価が高いバナナは、続けやすさの面で理想的な朝食の選択肢といえるでしょう。

2. 血糖値の安定化

バナナは天然の糖分である果糖、ブドウ糖、ショ糖をバランス良く含んでいます。これらの糖分は食物繊維とともにゆっくりと消化吸収されるため、急激な血糖値の上昇を抑えます。

急激に血糖値が上がると、その後に急降下する「血糖値スパイク」が起きやすく、疲労感や集中力の低下を招きますが、バナナを朝食に摂取することでこれを予防できます。

また、安定した血糖値はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える効果も期待できます。コルチゾールが過剰に分泌されると、体内の炎症反応やストレスレベルが高まり、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。

そのため、バナナを摂取して血糖値を安定させることは、日中のエネルギー維持と夜間の質の良い睡眠に貢献します。

3. 睡眠の準備を整える

バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6、マグネシウムなどの栄養素は、睡眠に重要なホルモンであるメラトニンの生成をサポートします。

特に朝にバナナを摂取することで、これらの成分が体内で効果的に働き、日中の体内時計のリズムを整える効果があります。

体内時計をリセットすることは、夜の良質な睡眠を促す上で欠かせない要素です。朝にトリプトファンを含む食品を摂ることで、セロトニンの分泌が活発になり、体内時計が整います。

セロトニンは日中の覚醒状態を保ち、夜になるとメラトニンの生成に切り替わるため、自然な眠気を誘発するのです。

また、朝食としてバナナを食べることで、日中の疲労回復がスムーズになり、夜の睡眠の質がさらに向上する相乗効果も期待できます。

朝の食事をきちんと摂ることが夜の睡眠に影響を与えるという点でも、バナナは理想的な選択肢です。

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▼睡眠の質とホルモン詳しく▼

最短1分!おすすめ朝バナナレシピ

1. バナナスムージー

  • 材料: バナナ1本、牛乳200ml、はちみつ少々
  • 作り方: 全てをミキサーで混ぜるだけ。

2. バナナヨーグルト

  • 材料: バナナ1本、プレーンヨーグルト100g、ナッツ適量
  • 作り方: バナナを切り、ヨーグルトと混ぜる。仕上げにナッツを散らす。

3. バナナトースト

  • 材料: トースト1枚、バナナ1本、ピーナッツバター
  • 作り方: トーストにピーナッツバターを塗り、スライスしたバナナを乗せる。
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よくある質問

Q1: 夜にバナナを食べるのではダメなの?

夜でもバナナを食べることは効果的ですが、朝に摂取することで体内リズムを整える効果が高まります。

Q2: バナナ以外で同じ効果が得られる食品は?

アーモンドやナッツ類、キウイなどもトリプトファンが豊富ですが、手軽さではバナナが最適です。

Q3: バナナを毎日食べると太りませんか?

適量(1~2本)であれば太る心配はありません。むしろ、食物繊維や低カロリーの特性が健康をサポートします。

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参考文献

  • Wurtman R. et al., “Effects of dietary tryptophan on brain serotonin synthesis,” The American Journal of Clinical Nutrition, 1988.
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  • Dakshinamurti K, “Vitamins and brain neurotransmitters,” Annals of the New York Academy of Sciences, 1987.
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  • Cajochen C et al., “Role of melatonin and circadian phase in the regulation of sleep,” Progress in Brain Research, 2012.
  • 健康づくりのための睡眠ガイド2023りのための睡眠ガイド2023