
\この記事を書いた人/
作業療法士・睡眠専門家としての医療的専門性に加え、企業の経営企画や人材育成支援に実務レベルで関わる「人的資本経営の伴走者」、石垣貴康が執筆しています。
これまでに、企業への健康投資導入や社内講座提供、ブランディング支援、助成金を活用した人材開発講座の企画・監修などを多数担当。
さらに、睡眠と健康をテーマにした書籍を出版し、専門家としてメディア出演の実績もあります。
自身も複数の事業を運営しながら、「科学的根拠 × 現場実践」の視点で、“働く人と組織=環境が健康的に成果を出す仕組みづくり”を支援しています。
目次
なぜ今「VUCA時代」が話題か?
リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍、そしてAIの急速な進化。
私たちが直面しているのは「予測不可能で複雑な時代」です。
ビジネスの現場では「VUCA(ブーカ)」という言葉が急速に広まりました。
VUCAとは以下の頭文字を取った言葉です。
- V:Volatility(変動性)
- U:Uncertainty(不確実性)
- C:Complexity(複雑性)
- A:Ambiguity(曖昧性)
かつてのように「経験則」や「安定したキャリアパス」が通用しにくいのが現代です。
では、そんなVUCA時代を生き抜く人は、どんな思考習慣を持っているのでしょうか?

VUCA時代に求められるビジネススキルとは?
柔軟性(適応力)
計画通りにいかないことを前提に動ける人は強い。
AI導入やリモートワークなど、働き方は数年単位で変わります。固執ではなく「適応」が生き残るカギです。
ダーウィンの有名な名言のように、強い奴や賢い奴が生き残るのでなく、「最も環境に適応したものが生き残る種」であるはずです。
学び直し(リスキリング・アンラーニング)
新しいスキルを学ぶこと以上に、「古い思考や習慣を手放す力=アンラーニング」が重要。
マイクロソフトやGoogleも「継続的学習」を人材戦略の軸にしています。
判断力と意思決定スピード
完璧な情報を待っていては手遅れに。
8割の情報で決断し、走りながら修正する人が結果を残します。
心理的安全性をつくる力
変化の時代には「チームで失敗をシェアできる」空気が不可欠。
上司やリーダーが心理的安全性を作れるかどうかで、組織のスピードも変わります。

変化に強い人の思考習慣5選
① 問題を細分化して考える
大きな課題に直面したとき、「小さく分解できる人」は混乱に飲み込まれにくい。
課題を要素ごとに分けると、次に取るべきアクションが明確になり、前進しやすくなります。
『イシューからはじめよ』(安宅和人)では「本当に解くべき問い=イシューを見極めることが、成果を生む最初の一歩」と説かれています。まさに問題分解はVUCA時代の第一歩です。
② 「完璧より前進」を優先する
不確実な時代には「100点の正解」など存在しません。
70点の段階でも走り出し、検証を繰り返すことが最も効率的です。
『アジャイルサムライ』(ジョナサン・ラスムソン)は「小さく作り、素早く改善せよ」と語ります。これはVUCA時代における“スピードと改善”の鉄則です。
③ 多様な視点を取り入れる
同じ職場・同じ業界の中だけでは、思考は硬直化してしまいます。
異業種交流や異文化体験が、新しいアイデアを生む源泉になります。
『Think Again』(アダム・グラント)は「自分の考えを疑い、学び直す勇気が不確実な時代を生き抜く鍵」と強調しています。外の視点を取り込むことが、柔軟な発想を育てます。
④ 感情をマネジメントする(EI・EQ)
不安定な時代だからこそ、感情をコントロールし、自分や周囲を落ち着かせる力が求められます。
EI(エモーショナル・インテリジェンス)が高い人ほど、リーダーシップを発揮しやすいのです。
『EQ こころの知能指数』(ダニエル・ゴールマン)は「成功を決めるのはIQではなくEQである」と説いています。変化の荒波を乗り越えるには、感情の舵取り力が不可欠です。
⑤ 「不確実性」を前提に計画を立てる
VUCAの本質は「不確実であることが常態化している」という点です。
だからこそ「リスク分散」「仮説思考」を前提に計画を立てる習慣が重要です。
『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー)では「影響の輪に集中せよ」と書かれています。自分でコントロールできる範囲に注力することが、不確実な時代に成果を出す秘訣です。

自分は変化に強い?VUCA適応力セルフ診断(全10問)
次の質問に「はい/いいえ」で答えてみましょう。
3つ以上「はい」があれば、VUCA時代への適応力を強化する余地があります。
- 予定通りに進まないと強いストレスを感じる
- 古いやり方にこだわってしまいがちだ
- 8割の情報では決断できず、完璧を求める
- 新しい意見を受け入れるのが苦手だ
- 相手の感情に振り回されることが多い
- 「不確実=怖い」と感じて動けなくなる
- 学び直しやスキルアップの時間を取れていない
- フィードバックを受けるのを避けてしまう
- 仕事の人間関係が固定化している
- 自分が影響できる範囲とそうでない範囲を区別できていない
診断結果の目安
- 0〜2個: 高い適応力あり!VUCA環境においても柔軟に対応できている人です。
- 3〜5個: 強化ポイントあり。学び直しや小さな仮説検証を意識することで、さらに強くなれます。
- 6個以上: 今がチェンジのチャンス。アンラーニングやEQ強化に取り組むことで、VUCA時代にふさわしい思考習慣が育ちます。
▼気になる記事3選▼
今日からできる実践法
✅ 1. 毎週30分「学び直し時間」を確保
金曜の朝に「AI関連の記事を読む」「英語ニュースを要約する」など、短時間でもOK。
「継続できる量」でやりましょー!
継続することで未来のキャリアに差がつきます。
📓 2. 「アンラーニングノート」をつける
今週やめた固定観念を記録する習慣を持ちましょう。例:「会議は必ず全員参加」という思い込みを手放す。こういうので心が案外楽になる。
🔍 3. 小さな仮説検証を繰り返す
営業戦略を2週間単位で試し、成果を比較して改善する。
小さなサイクルを回すことで、変化の中でも素早く適応できます。
💬 4. フィードバックを受ける習慣を持つ
毎週「今週の自分の動きで改善点は?」と同僚や部下に聞いてみましょう。
短いやりとりでも新しい気づきが得られ、自己成長につながります。
🌐 5. 多様な情報源から学ぶ
業界の外にヒントがあります。
例:異業種のポッドキャストを聴く/スタートアップの勉強会に参加する。

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まとめ|VUCA時代を生き抜く最大の武器は「学び続ける力」
- 不確実性を「恐れる」より「前提」にする
- 完璧を目指さずに「小さく試す」習慣を持つ
- 学び直しとアンラーニングで柔軟な思考を鍛える
VUCA時代において、キャリアを守る最大の武器は「柔軟に学び続ける姿勢」です。

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