朝練は本当に必要か?寝不足で成績低下など思春期の特性を徹底解説

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はじめに

朝早くから行われる部活動、通称「朝練」は、多くの学生が参加している一方で、その影響として睡眠不足が問題視されています。

特に思春期の学生たちは、夜型になりやすく、十分な睡眠を確保できないことが多いです。

今回は、睡眠不足が引き起こすリスクや思春期における体内時計のズレについて詳しく解説し、本当に朝練が必要なのかを問い直します。

思春期における体内時計の変化

思春期に入ると、学生たちの体内時計は約2時間ほど遅れると言われています。これは、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌が遅れることによるもので、自然と夜型の生活リズムになりがちです。

そのため、夜遅くまで起きていることが多くなり、早朝の部活動のために十分な睡眠時間を確保することが難しくなります

▼思春期に体内時計ズレる理由▼

睡眠不足がもたらすリスク

睡眠不足が続くと、身体的・精神的な健康にさまざまな悪影響を及ぼします。以下に、特に重要なリスクをいくつか挙げます。

リスク1: 怪我のリスク増加

睡眠不足は、注意力や反射神経の低下を招き、これにより怪我のリスクが増加します。特にスポーツ活動中では、筋肉の疲労回復が十分に行われないため、筋繊維の脆弱性が高まり、筋肉損傷や捻挫などの外傷を引き起こす可能性が高まります

また、深部体温調節機能が乱れることで、適切な身体の動きが制御できず、予期しない転倒や衝突などのリスクが増加します。長期的に見ると、これらの繰り返しによって慢性的な痛みや障害を引き起こし、学生の健康とスポーツキャリアに深刻な影響を与える可能性があります。

リスク2: コミュニケーション能力の低下

睡眠不足は、集中力や感情のコントロールにも悪影響を及ぼし、前頭葉の機能低下により意思決定や感情制御が困難になります。この結果、社会的な相互作用において柔軟性が失われ、コミュニケーション能力が低下します。

特に思春期の学生にとって、これは友人や家族との関係に悪影響を及ぼし、情緒不安や孤立感を引き起こすリスクがあります。

さらに、持続的な睡眠不足はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、精神的なストレスが蓄積し、うつ病や不安障害の発症リスクを高める可能性があります。

リスク3: 学業成績の低下

前述のように、睡眠不足は集中力や記憶力の低下を引き起こしますが、さらに、脳の前頭葉と頭頂葉の機能も低下することが研究で示されています。前頭葉は意思決定や計画、自己制御を司り、頭頂葉は空間認知や計算能力に関与します。

これらの機能が低下することで、問題解決能力や判断力が鈍り、学業成績に悪影響を与えることが考えられます。結果として、将来的な進路にも影響を与える可能性があります。

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朝練の見直しが必要な理由

学生たちの健康と将来を考えるならば、朝練の必要性について再考することが求められます。以下に、具体的な対策を提案します。

実際にリハビリ職向け睡眠講座で使用した資料

対策1: 朝練の廃止または時間変更

朝練を廃止するか、開始時間を遅らせることで、学生たちが自然な体内時計に従って十分な睡眠を確保できるようにします。

対策2: 夕方の部活動への移行

部活動を夕方に行うことで、朝の負担を軽減し、学生たちが必要な睡眠を取れる環境を整えることが可能です。

対策3: 睡眠教育の実施

学校や家庭で、睡眠の重要性について教育を行い、学生たちが自身の健康を守るために、適切な生活リズムを身につけることを推奨します。

こども睡眠授業の様子

まとめ

思春期の学生たちは、体内時計が遅れやすく、睡眠不足になりやすい時期です。睡眠不足は、怪我のリスク増加やコミュニケーション能力の低下、前頭葉と頭頂葉の機能低下による学業成績の低下など、さまざまなリスクを伴います

学生たちが健やかに成長し、充実した学校生活を送るためにも、朝練の必要性を見直し、より良い睡眠環境を提供することが重要です。

決して、朝練がダメなわけではありません。睡眠時間を確保し、その中で運動を行うことは成績向上にもつながり、発達を促すことをサポートしてくれます。

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