SNSで「リハビリ整体」という屋号がどうか?
という投稿があったので、今回私の経験を記事にまとめてみます。興味ある方にみていただければ幸いです。
医師法はもちろん。医療広告ガイドラインや景品表示法などに関わってくることです。
目次
はじめに
私は保険外リハビリを2018年に名古屋で創業し、その経験もあり、3年ほど前に「リハビリ整体」という屋号の事業に関わらせていただきました。
その際に商標登録もしっかり取得できています。
また船井総合研究所さんにご依頼いただき、自費リハビリ勉強会という中で、全国の経営者さんや療法士の管理職向けにセミナーを何度かさせていただきました。
そのような経験も加えて、情報掲載をします。
興味ある方だけにみていただけたら幸いです。
医師の指示がないと名乗れない
まず理学療法士・作業療法士についてです。
結論からですと、医師の指示がない場合の療法は理学療法ではないため、医師の指示がないと理学療法士と名乗れない。ということです。
理学療法士及び作業療法士法では、以下のように掲載されているようです。
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
3 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、理学療法を行なうことを業とする者をいう。
引用元:https://rehafit-jp.com/2020/03/15/jihireha-2/
例えば、整体という業界やヨガインストラクターという業界でも理学療法士の資格は持っている。とは表現できるけど、整体の中で理学療法を行っているというのはアウト。という解釈を私はしています。
次の項目も参考にしてみてください。
介護予防事業で名乗ってもOK?
厚生労働省医政局医事課長通知には、以下のように掲載さているようです。
理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外の業務を行うときであっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題ないこと。
また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときは、医師の指示は不要であること。
2つの違い「リハビリテーション」と「リハビリ」のイメージについて
現在では「リハビリ」という用語が広がり、多くの方に使用されているかと思います。
介護施設では、理学療法士や作業療法士でなくても機能訓練士ということで「リハビリしましょう」とご利用者さんに声かけることは介護現場でよくあることかと思います。
そして「リハビリテーション」この言葉は介護分野で使われることは一般的に少なく、病院である医療の場で使われるイメージが強くなります。
このイメージが整体やサロンなどの屋号や広告でひっかかる基準になると様々な人から聞いてきました。
では、「リハビリ」と「リハビリテーション」どちらがいいのか?またはどちらも整体やサロン事業で使ってはいけないのでしょうか?
病院以外の「リハビリ」は違法か?
あまり個人的な名前や政治的なお話しを掲載することはできないのですが、私が政府関係の方から聞いた情報を聞いて仕入れた情報ですと・・・
現状は内容によって違法ではない。
ということが結論になります。
では、何がアウトなのか?
①理学療法、作業療法
②診療日、患者、回復
③診断をする
ザクっと簡単にお伝えすると「医療」とイメージできるものはアウトです。
そこで「リハビリテーション」という言葉はアウトというふうに言われています。しかし、実際にリハビリテーションという言葉を使われている施設さんもありますが、もう何年も営業されていらっしゃいます。
じゃあ、「リハビリ」は?ということなのですが、ここがグレーだそうです。
ここから先の政治も関わるグレーな話は掲載できないのですが、現状は大丈夫。というのが個人的な解釈です。
ただ、現在「リハビリ」「理学」という言葉を使った屋号や広告は凄く多くなってきたのを保険外で活動するものとして感じます。増えすぎた場合、行政から規制が入るかも。ただ、現状は入らないという話です。
WEBページには掲載されていないですが、SNSの発信では医療用語がポロっと使われていることはみかけます。
いろんな人の視点
全ての人が以下のようなわけではありませんが、私が関わった中での情報を掲載します。
①PTOT以外の整体業界からの視点
整体業界の方は、PTOTと違ってとても一生懸命にサービスを検討されています。PTOTは国家資格であり、転職もしやすいですね。また整体業界の方はご自身で起業されている方も多いです。
そのような意欲的な差の中で、医療従事者というイメージは知的であり、社会的に認められている資格というのは脅威かもしれません。
そのような資格者が同じ土俵に立つと、集客という視点で1つ問題視されます。
ただ、私個人的にですがPTOTは病気や医療に詳しいですが、健康に関してはそこまで詳しくないイメージでいます。PTOT向けに研修会活動の中でアンケートやお話しをしている中で、興味が医療よりだということを感じます。もちろんそれが本職なので、当然かと思います。
②リハビリを求めている方の視点
一般の方からすれば、接骨院や整体の違いはわかりづらく、整体にリハビリが入るとより混乱された様子を過去の経験でお聞きしました。
リハビリのイメージはドラマなどの影響もあって、手すりや杖で一生懸命歩くことや高齢者の方のイメージが強いようです。それと整体が重なるイメージがつきづらいようです。
整体は腰痛・肩こり・膝痛が多いかと思いますが、多くの一般の方はまず整形外科で保険診療を受ける人が多数になります。
そこからソシャゲのように課金して早く治したい人が、整体を検索される方が多いとお聞きします。
「腰痛・整体・〇〇市」と検索する方も多いので、リハビリというワードやイメージがまだ一般の方にはない感じを受けます。
ただ「リハビリ」を受けたいというストレートな検索の方には間違いなく刺さりやすいですが、数としては現状多くない印象です。
③PTOTとしての視点
理学療法士、作業療法士で起業されている方の多くは、医療現場での経験を活かし、保険より質の高いものを提供したい。そのような気持ちで整体をされている方が少なくありません。
そのような背景をお持ちの方が多いので、表向きは整体師さんですが、中身はPTOTにどうしてもなります。
PTOTは医療の勉強しかしてこなかったので、集客など整体運営が存続できるための基礎となる知識や経験はない方が多いです。
どうしたらいいのか?
対策としては、紛らわしい用語は使用しない。ということが当然です。
診療⇀営業
リハビリ⇀施術
理学療法⇀アプローチ
回復⇀改善
患者⇀顧客
のように表現する言葉は変えられます。
個人的には整体院という「院」や院長というのも凄く紛らわしいと思います。誤解を与えるものはダメですね。
そして、出店されている各地域の行政機関に確認をするのが確実かと思います。
私も過去の事業で出店する際には保健所などに確認の問合せをしました。今までなかった業界ということで、検討するのに時間がかかったこともありました。
2024年1月に経産省のお1人の方とお話しをしたときに、そのような業種があることを知らないという方もいらっしゃいました。
最後に
せっかく自身の力で良いサービスをしようとされているのに、方法がアウトだとそもそもやりたいことができなくなってしまいますね。
対象者の方のニーズを汲み取り、営業に支障がでないように運営し、その地域で気持ちよく存続できるといいですね。