この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

恋人や夫婦として一緒に暮らす中で、睡眠の重要性を見落としてはいませんか?

「寝室の問題」が原因で破局に至るカップルが増えている現代、これは他人事ではありません。

この記事では、美咲さん(仮名、20代事務職)と大輝さん(仮名、30代建設現場監督)が「睡眠トラブル」によって破局に至ったリアルな物語を通じて、睡眠の重要性と対策を考えます。

美咲と大輝に起きた「寝室戦争」

美咲さんは、都内の企業で働く事務職。朝9時から夕方5時までデスクワークをこなす20代の女性です。一方、大輝さんは30代の建設現場監督で、早朝から現場に出て働き、体を酷使する日々を送っています。

交際3年目の2人は、互いの仕事を尊重し合いながら支え合う関係でした。そんな中、同棲を始めた当初は順調だった生活が、わずか半年で暗転することに。その原因は、意外にも「睡眠」にありました。

美咲さんの悩み

  • 大輝のいびきが耐えられない:建設現場で疲れ果てた大輝さんは、夜になると爆音のようないびきをかくことが多く、美咲さんは夜通し眠れない日々が続きました。
  • 日中の集中力低下:事務職で細かい作業が求められる美咲さんにとって、睡眠不足は致命的。作業ミスやケアレスミスが増え、上司から注意されるようになりました。

大輝さんの不満

  • 「自分ばかり責められる」感覚:美咲さんが「いびきがうるさくて眠れない」と何度も訴え、耳栓や寝室を分ける提案をするたび、大輝さんは「自分の体のせいで責められている」と感じるようになりました。
  • ストレスで体調悪化:ストレスでさらにいびきが悪化し、美咲さんとの関係もぎくしゃく。朝早く現場に出る生活リズムも、美咲さんと合わず負担が増しました。

次第に2人の間に距離が生まれ、「寝室」は戦場と化していきました。

「寝室戦争」が引き起こした悪影響

1. お互いの仕事への影響

美咲さん:睡眠不足の影響で作業効率が下がり、顧客対応でも集中力を欠くように。ストレスが溜まり、職場の同僚とも衝突することが増えました。

大輝さん:疲労が取れず、現場での判断ミスが増加。部下からの信頼も揺らぎ、責任感がさらにストレスを増幅させました。

2. 心理的距離の拡大

互いの不満が蓄積し、美咲さんは「このままでは自分が壊れる」と感じ、大輝さんも「一緒にいても批判されるばかり」と思うように。言葉を交わす機会が減り、愛情が薄れていきました。

3. 解決策が見つからない絶望感

美咲さんは別室で寝る提案を繰り返しましたが、大輝さんは「一緒に寝ないと関係が壊れる」と拒否。2人は話し合いを繰り返したものの、解決策は見つからず、ついに破局に至りました。

破局を防ぐための具体策例

1. 睡眠環境の改善

  1. 遮音対策:遮音カーテンや耳栓、ホワイトノイズマシンを活用する。
  2. 適切な寝具選び:疲れを取りやすいマットレスを見直す。特に大輝さんには、いびき軽減効果のある枕とマットレスが有効。

2. 医療機関や専門家の活用

  1. 大輝さんのようにいびきが重度の場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため医療機関を受診する。
  2. またはスマホなどを使用し、睡眠の状態を客観的に観測することも大切です。
  3. 睡眠コンサルタントに相談し、美咲さんの快適な睡眠をサポートする具体策を検討。

3. 話し合いで解決策を模索

  1. 一方的に責めるのではなく、相手の状況を理解する姿勢を持つ。
  2. 必要であれば、短期間別室で寝ることも検討し、解決を急がない。
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おわりに

美咲さんと大輝さんの「寝室戦争」は、睡眠の重要性を軽視した結果、破局に至った典型例です。

もしあなたが同じような問題を抱えているなら、今日から行動を起こしましょう。睡眠環境を改善し、話し合いを大切にすることで、愛を守ることができるはずです。

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