
この記事を書いたのは
睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。
医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県・桑名市で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。
本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。
目次
🕙 結論:22時〜2時が寝つきやすい時間帯。ただし“個別性”と“条件”がある
一般的に、人の生体リズム(サーカディアンリズム)上、22時〜2時は最も寝つきやすい時間帯だと考えられています。
しかし、ここで注意すべきポイントが2つあります。
✅Point1:個別性がある
- 年齢、遺伝的体質(朝型・夜型)、生活習慣により「最適な就寝タイミング」には個人差がある。
- すべての人に「22時に寝なきゃだめ」というわけではない。
✅Point2:寝つきやすさ=深い睡眠ではない
- 単に「早く寝つけた」だけでは、深いノンレム睡眠にスムーズに移行できるとは限らない。
- 深い眠りに入るには、体内環境(体温リズム・ホルモン分泌・神経バランス)が整っていることが前提条件。
この2点を押さえた上で、「なぜ22時〜2時がベースとして有利なのか?」を詳しく解説していきます。

🌙 深部体温の下降による自然な眠気
人間の体温リズムは、昼間に高く、夜間に低くなる仕組みになっています。
このリズムは視交叉上核(SCN)と呼ばれる脳の中枢時計によって制御されています。
✅通常の体温リズム
- 朝〜夕方に向かって上昇し、活動をサポート
- 夜22時頃から下降を開始し、身体を「省エネモード」に切り替える
体温が下がり始めることで、副交感神経が優位になり、眠気が生まれやすくなります。
つまり、体温下降の波に乗ることが、自然な寝つきには必須条件なのです。

💡 メラトニンと光刺激の影響
メラトニンは「眠りを誘うホルモン」。
しかしその分泌量やタイミングは、光環境によって大きく左右されます。
時間帯 | メラトニンの状態 |
---|---|
19〜20時 | 暗さを感知し、分泌準備 |
21〜22時 | 分泌開始 |
23時〜0時 | 分泌ピーク到達 |
✅注意
- 21時以降にスマホやPCのブルーライトを浴びると、メラトニン分泌は著しく抑制される
- 「夜型生活」が続くと、メラトニン分泌リズム自体が後ろ倒しになってしまう
→つまり、22時に寝たいなら、21時以降の光環境をしっかり整える必要があるのです。
そして、眠る準備は朝から始まっています!

🧠 脳の睡眠スイッチ「視交叉上核」とその限界
脳の視交叉上核(SCN)は、体温リズムやホルモン分泌を統合し、「眠れ」と指示を出す中枢です。
しかし、視交叉上核も万能ではありません。
- 生活習慣(夜更かし)やストレスによる自律神経の乱れ
- カフェイン・アルコール摂取による神経活動の刺激
- 日中の運動不足による体温リズムの弱化
これらの要素があると、本来なら眠れるはずの22時でも、眠気が来なかったり、浅い眠りしか得られないことが起こります。
🧒 年齢・体質別にみる最適な睡眠タイミング
タイプ | 最適な就寝時間 | 特徴 |
---|---|---|
子ども(小学生) | 20〜21時 | 成長ホルモン大量分泌が必要 |
思春期〜大学生 | 21〜22時 | 睡眠相後退(夜型傾向)が強まる |
成人(朝型) | 22時前後 | 朝型ならやや早め就寝が理想 |
成人(夜型) | 23時前後 | ただし「1時以降就寝」は推奨しない |
高齢者 | 20〜21時 | リズム前倒し傾向、早寝早起き型 |

寝つきやすさと深い睡眠は別問題
ここがとても重要です。
「すぐ寝た=ぐっすり寝た」ではない。
深い睡眠(徐波睡眠)に入るためには、
- 体温がゆっくりと下がっていること
- メラトニンが十分に分泌されていること
- 副交感神経優位でリラックスしていること
がすべて揃う必要があります。
つまり、ただ時間を合わせるだけでは不十分で、環境と生活習慣からも“深い眠りを設計する”必要があるのです。

🌙 深い睡眠を引き寄せる実践テク
工夫 | 理由 |
---|---|
入浴(就寝90分前・40℃) | 一時的体温上昇→自然下降促進 |
21時以降の照明暗化 | メラトニン最大化 |
カフェインカット(14時以降) | 神経刺激を防ぐ |
日中の適度な運動 | 体温リズム強化 |
リラックスルーティン | 副交感神経を優位に |
🌙 寝つきやすさと深い睡眠までの流れ
人は自然な流れの中で眠りへと導かれます。
そのリズムを知ることで、「最適な寝つき」を設計することができます。
▼
【起床後】 朝光を浴びる
↓
【日中】 適度な運動・活動(体温リズム作り)
↓
【夕方】 リラックスモードへ切り替え準備
↓
【夜19時以降】 光量を落とす(間接照明に)
↓
【夜21時】 デジタルデトックス開始
↓
【夜22時前後】 深部体温下降+メラトニン増加 → 眠気MAX
↓
【入眠】 正しいタイミングでベッドイン
↓
【最初の90分】 深いノンレム睡眠(成長ホルモン大量分泌)
🌟 ポイント
- 「眠気」は偶然ではなく、1日の過ごし方で生み出される。
- 日中から整えてこそ、22時のゴールデンタイムが活きる!
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質問 |
---|
朝起きたらカーテンを開けて光を浴びる |
日中に少しでも体を動かす時間がある |
寝る2時間前から部屋の光を落としている |
夜21時以降はスマホ・パソコンをできるだけ見ない |
カフェイン(コーヒー・紅茶など)を14時以降に飲まない |
お風呂は寝る90分前に40℃で入っている |
寝室の温度・湿度を意識して調整している |
🔵 判定結果
- 「はい」が5個以上 → ✨ゴールデンタイムを活かせています!
- 「はい」が4個以下 → ⚡眠りの設計を見直すチャンス!

❓ よくある睡眠の疑問コーナー
Q. 夜型だから22時に寝るのは無理。どうすればいい?
➡️ 少しずつ前倒しする「睡眠相前進法」を!
毎日15分ずつ寝る時間を早めるのがコツ。急な変化は逆効果。
Q. 布団に入ったのに30分以上眠れない。どうするべき?
➡️ そのままベッドにいるのはNG!
20〜30分眠れなかったら一度ベッドを出て、軽いストレッチや読書でリセットしましょう。
Q. どうしても22時に寝られない日はどうしたらいい?
➡️ 完璧を目指さなくて大丈夫。
「体を休めるモード」に入るだけでも効果あり!
ブルーライトオフ、食事・カフェインを控える、深呼吸をする、などを心がけて。
Q. 朝型に切り替えるには?
➡️ 起きたらすぐ朝日を浴びること!
5〜10分だけでもOK。光が脳に「朝だよ!」とリセット指令を送ります。
💬 睡眠オタクの一言
睡眠は、“気合い”では良くならない。
科学と工夫で「自分だけの最適な眠り」を組み立てていきましょう。
眠りの設計士になれるのは、自分だけです!
🏡 睡眠の専門拠点:眠りのコツ研究所 × Totonoe-整-
眠りや生活のリズムを見直したい方、もっと良いパフォーマンスを出したい方へ。
「眠りのコツ研究所」では、医療・リハビリの知識を基に、“動きと休息”の最適化サポートを行っています。
- 施設名:眠りのコツ研究所 × Totonoe-整-
- 住所:〒511-0923 三重県桑名市桑部589-1 東棟
- 電話番号:0594-26-0001
- Googleマップ:こちらをクリック
- Instagram:https://www.instagram.com/totonoe987
- 予約状況の確認:https://coubic.com/totonoe-kuwana
✅ 最後に:あなたの眠りは、あなたが設計できる
- 22時〜2時は、科学的に寝つきやすいゴールデンタイム
- しかし、個別性があり、深い睡眠には条件が必要
- 睡眠は偶然ではなく、日中から設計するもの
🌟
あなたにとって最適な「眠りの設計図」、今日から一緒に作りましょう!
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