こんにちは!睡眠オタクの作業療法士、石垣貴康です。
夜、ついついスマホを触り続けてしまい、「寝る時間がなくなった…」と後悔することはありませんか?
その行動、実は健康に深刻な影響を与えているかもしれません。
ずっと触っているのはよくないと感じるのですが、なかなか現代人が手放せないスマホ!!
この記事では、「だらだらスマホ」のリスクとその解決策について、作業療法士の視点からお伝えします!
スマホから解放される1つのきっかけになれば幸いです。
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目次
だらだらスマホで起こる大問題3
1. 脳と体にダメージを与える光の罠
スマホから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。
2011年の研究(Cajochen et al.)では、ブルーライトがメラトニンの分泌を通常の光源よりも約2倍強く抑制することが示されました。
また、ブルーライトの暴露が1時間続くと、メラトニン濃度が大幅に低下することがわかっています。
その結果、概日リズム(体内時計)が乱れ、寝付きが悪くなるだけでなく、深い睡眠が妨げられるのです。
特に就寝前の1時間は、脳がリラックスモードに切り替わる重要な時間帯。それをブルーライトで妨害してしまうのは、自ら睡眠の質を壊しているようなものです。
2. 睡眠不足で心身に及ぶ悪影響
だらだらスマホの習慣は、睡眠不足を招きます。これが続くと、以下のような症状が現れる可能性があります。
- 集中力の低下:仕事や勉強でミスが増える。
- 感情の不安定さ:イライラしやすくなる。
- 免疫力の低下:風邪をひきやすくなる。
2017年に発表された研究(Walker & Stickgold)によれば、睡眠不足が続くと記憶の統合プロセスが阻害されることが示されています。
また、睡眠不足が免疫細胞であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活動を70%低下させるという報告もあります(Irwin et al., 2015)。
3. うつ状態や依存症のリスク
夜間のだらだらスマホが続くと、以下のような精神的症状が出る可能性もあります。
- やる気が起きない。
- 自分を責める気持ちが強くなる。
- 将来への不安が膨らむ。
2018年の研究(Twenge et al.)では、10代のスマートフォン使用時間が長いほど、うつ症状や不安感の発症リスクが高まることが明らかになっています。
また、SNSの長時間利用が自己肯定感の低下に関連しているというデータもあります。
特に、就寝前のSNSやニュースアプリは、刺激が強すぎて脳を休めるどころか逆に覚醒させてしまいます。
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睡眠オタが教える!だらだらスマホを防ぐ術
1. スマホの「就寝モード」を活用する
スマホには「就寝モード」や「ブルーライトカットモード」が搭載されています。これを夜9時以降に自動でオンにする設定にしておくと、余計な通知が入らず、スマホを触る回数も減ります。
ブルーライトカットモードの使用がメラトニン抑制を軽減するという研究結果があります(Figueiro et al., 2019)。
2. 寝る前のスマホ代わりの習慣を作る
代替案としておすすめなのが、軽いストレッチや読書です。ストレッチはリラックス効果が高く、睡眠の質を向上させます。
また、電子書籍ではなく紙の本を読むことで、目と脳の疲労を防ぐことができます。
ストレッチやリラクゼーションが副交感神経を活性化し、入眠までの時間を短縮する効果があることが示されています(Passos et al., 2017)。
3. スマホを寝室に持ち込まない
これは意外と効果的!寝室にアナログの目覚まし時計を置くだけで、スマホを触る機会が激減します。
「手元にスマホがあるから触ってしまう」という習慣を断ち切りましょう。
オリジナルの睡眠ルーティンをつくることがオススメです!
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睡眠オタクのまとめ
夜のだらだらスマホは、脳と体にとって最大の敵です。しかし、ちょっとした習慣を見直すだけで、良質な睡眠を取り戻すことができます。
「睡眠不足は、未来の自分への借金」
今日から、だらだらスマホを卒業して、健康的な睡眠を手に入れましょう!
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参考文献
- Cajochen, C. et al. (2011). Evening exposure to a light-emitting diodes (LED)-backlit computer screen affects circadian physiology and cognitive performance. Journal of Applied Physiology.
- Walker, M. P. & Stickgold, R. (2017). Sleep, memory, and plasticity. Annual Review of Psychology.
- Irwin, M. R. et al. (2015). Sleep and inflammation: partners in sickness and in health. Nature Reviews Immunology.
- Twenge, J. M. et al. (2018). Association between screen time and depression in adolescents. Clinical Psychological Science.
- Figueiro, M. et al. (2019). Blue light and circadian rhythms. Sleep and Biological Rhythms.
- Passos, G. S. et al. (2017). Effects of exercise on the sleep patterns of individuals with chronic insomnia. Sleep Medicine Reviews.
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