夜になると思考がネガティブになりやすい理由とは?科学的根拠と具体的な対策

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この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

はじめに

夜になると、なぜかネガティブな思考に陥りやすいと感じたことはありませんか?

この記事では、夜にネガティブ思考が強くなる理由とその科学的根拠、さらに効果的な対策について詳しく解説します。

この記事を読むことで、夜の不安やストレスを軽減し、より良い睡眠とメンタルヘルスを手に入れてください!

セロトニンの減少とメラトニンの増加が引き起こすネガティブ思考

昼間は気分を安定させるセロトニンが多く分泌されますが、夜になるとメラトニン(睡眠ホルモン)が増え、セロトニンの分泌が減少します。

このホルモンバランスの変化が、ネガティブな思考を引き起こします。

具体例

  • 布団に入ると、突然「明日の仕事がうまくいかなかったらどうしよう」と不安になる
  • 日中は気にならなかった人間関係の悩みが、夜になると頭から離れない
  • 過去の失敗を思い出して「なんであんなことを言ったんだろう」と後悔する
引用元:こども睡眠テキスト

前頭前野の活動低下が感情コントロールを妨げる

前頭前野は感情のコントロールや論理的思考を担う脳の部位です。

夜になると脳の疲労や睡眠圧の高まりで前頭前野の働きが低下し、感情のコントロールが難しくなります。

具体例

  • 些細なことでイライラしやすくなる
  • 夜遅くに送ったLINEの返事がないことが気になり「嫌われたかも」と不安になる
  • 誤送信したメールが気になり、何度も確認してしまう
引用元:active brain club

自律神経のバランス変化が不安感を増幅させる

夜は副交感神経が優位になりリラックスモードに入りますが、ストレスがあると交感神経が過剰に働き、心が落ち着かなくなります。

具体例

  • 布団に入ったのに、明日の予定や失敗を延々と考えてしまい眠れない
  • 寝る直前にSNSを見て「自分は何も成し遂げていない」と自己嫌悪に陥る
  • 明日の会議での発言内容を何度もシミュレーションしてしまう
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扁桃体の過活動が不安や恐怖を増幅させる

恐怖や不安を処理する扁桃体は、夜になると前頭前野の抑制が弱まることで過剰に活動します。

これにより、不安や恐怖の感情が増幅されます。

具体例

  • 深夜に家の物音が気になり「泥棒かも」と過剰に反応してしまう
  • 急に「もし家族に何かあったら…」と不安になる
  • 健康診断の結果が気になり、悪い結果ばかり想像してしまう

睡眠不足や体内リズム(サーカディアンリズム)の乱れがメンタルに影響

睡眠不足や夜更かしが続くと、体内時計(サーカディアンリズム)が乱れ、ホルモンバランスが崩れます。

具体例

  • 寝不足で「仕事でまたミスをするかも」と自信をなくす
  • 夜遅くまで起きていると「自分はだらしない」と自己否定する
  • 明日起きられるか不安で眠れなくなる

ネガティビティ・バイアスの強化が夜の不安感を助長する

人間にはネガティビティ・バイアス(ネガティブな情報に敏感になる特性)があり、夜は外部刺激が少なく思考が内向きになることで、このバイアスが強化されます。

具体例

  • 明日のプレゼンが失敗するイメージばかりが浮かぶ
  • SNSで他人の成功を見て「自分は何もできていない」と落ち込む
  • 昼間は気にならなかった友人の態度が、夜になると冷たく感じる
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夜のネガティブ思考を和らげる対策

  1. リラックスできる音楽やアロマを取り入れる
  2. スマホやPCの使用を控え、ブルーライトを避ける
  3. 日記を書くことで思考を整理する
  4. 軽いストレッチや深呼吸で心身を落ち着かせる
  5. 睡眠環境を整える(室温や照明の調整)
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まとめ

夜になるとネガティブ思考が強まるのは、脳の機能低下ホルモンの変化体内リズムの乱れ複雑に絡み合っているためです。

これらの理由を理解し、適切な対策を取り入れることで、夜の不安やストレスを軽減し、より快適な睡眠と健康的な生活を手に入れましょう。

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