
目次
REM睡眠が遅れるとどうなるのか?
この記事は「ちょっと夜更かしくらい問題ないでしょ」
って思ってる方にこそ、読んでいただきたいです。
「夜ふかししてスマホを見た翌朝、なんだか頭がぼんやりする」
「夢を見ていない気がする」――
そんな経験はありませんか?
これは単なる気のせいではなく、REM睡眠の開始が遅れる(REM遅延)という科学的現象が関わっています。
体内時計が後退することで、翌朝起きづらい、日中の眠気などの原因となります。
定義
REM睡眠の開始遅延とは、就寝前の光曝露や刺激によって体内時計が後退し、NREMからREMへの移行が後ろ倒しになる現象である。

REM睡眠とは?
REMとNREMのサイクル
人間の睡眠は90分前後の周期で、NREM(N1→N2→N3)とREMが繰り返されます。
前半はNREMが中心、後半ほどREMが増えるのが基本形です。
REMの役割
- 記憶の統合(学習内容の再編成)
- 情動処理(ストレスや不安の調整)
- 創造性の促進(脳内ネットワークの柔軟化)
💡 豆知識
REM睡眠は「脳の夜間メンテナンス」。情報のゴミを片づけ、必要な記憶を残してくれます。
REM開始が遅れるメカニズム
光曝露と視交叉上核(SCN)
就寝前のスマホやLED照明に含まれる短波長光(ブルーライト)は、網膜のipRGCが感知してSCN(体内時計の中枢)を刺激し、メラトニン分泌を抑制します。
このメラトニンは天然の睡眠薬と言われるホルモンです。=分泌が抑制れると眠気がきません。
その結果、眠気が起きにくくなり入眠が遅れ、REMの出現も後ろ倒しになります。
因果チェーン
光曝露 → SCN刺激 → メラトニン抑制 → 深部体温下降が妨げられる → 入眠遅延 → REM遅延
メラトニンと深部体温
メラトニンは深部体温を下げ、入眠を促すホルモン。抑制されると「眠気が来ない」「寝つけない」状態が起き、睡眠構造のスタートが乱れます。
概日リズムの位相後退
夜の光は体内時計を後方(遅い時刻)へずらす作用が強く、慢性的に続くと夜型化が進み、入眠とREM潜時が恒常的に延びがちです。
その他の遅延因子
- アルコール:初期NREMを増やしREMを削る
- カフェイン:睡眠圧を下げ入眠・REMを遅らせる
- 交感神経優位(ストレス・運動直後・高温浴):脳が覚醒モードのまま
💡 豆知識
「寝る直前のスマホ=体内時計を約1時間遅らせる」レベルのインパクトになることがあります。

REM遅延がもたらす影響
睡眠構造の偏り
REMが後ろ倒しになると前半はN2・N3(深いNREM)に時間が割かれ、結果としてREM総量が削られやすくなります。
翌朝の認知・気分
REM不足は記憶統合や情動処理が不十分になり、翌日の学習効率低下、気分の不安定、集中力低下につながります。
臨床的アウトカムの例
- 睡眠時無呼吸:低酸素・覚醒反応でREMが抑制
- うつ病:REM潜時の異常・REM構造の乱れ
- アルコール:夜明け前のREM(まとまって出る傾向)が減少
日常での自覚
- 「夢を見ていない気がする」=REM不足のサインことが多い
- 「朝ぼんやり」=夜明け前REMの減少で“脳の仕上げ”が足りていない
💡 豆知識
REMは夜明け前に集中して出る傾向。だから“朝のスッキリ感”はREMの恩恵です。
REM遅延と健康リスク
精神面
- 気分障害(抑うつ・不安)と関連
- 睡眠リズム障害(遅延型睡眠相)と悪循環
身体面
- メラトニン低下に伴う代謝悪化(インスリン抵抗性↑)
- 肥満・糖代謝異常・高血圧などの生活習慣病リスク増
💡 豆知識
REM不足は「メンタル」と「代謝」の両方をじわじわ蝕みます。
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今日からできる実用的改善策
光環境の調整
- 就寝60分前はスクリーン断食(スマホ・PC・TV)
- 照明は2700K以下の暖色へ切替え、間接照明中心に
朝の光でリセット
- 起床直後5〜10分の自然光浴(窓辺でも可)
- 冬季や在宅時は光療法ランプ(2,500〜10,000lx)活用
行動習慣
- 夜のカフェイン・アルコール控えめ
- 軽いストレッチや呼吸法で副交感神経優位に
医療的介入
- 不眠症:CBT-I(認知行動療法)
- 睡眠時無呼吸:CPAP療法
セルフチェックリスト
□ 寝る前にスマホを触っていないか?
□ 部屋の照明は白色LEDのままではないか?
□ 朝の光を浴びているか?
□ 夜のカフェイン・アルコールを摂っていないか?
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よくある質問(FAQ)
Q1. REMが遅れてもNREMが増えるなら良いのでは?
確かにNREM(特にN3)は身体回復に重要。
しかしREM不足は「感情処理」「記憶の定着」に直結する。
つまり「体は休めるが、脳は休めない」状態になる。
両者のバランスが崩れると、翌日パフォーマンスが著しく低下する。
Q2. 昼間の光でも影響するのですか?
朝〜昼の光は体内時計をリセットする働きがあるのでむしろ有益。
問題は夜間(特に22時以降)の光曝露。
この時間帯に光を浴びると体内時計が「夜はまだ終わらない」と錯覚する。
結果:入眠が遅れ、REM潜時も後退。
Q3. 夢を見ないのは悪い睡眠?
夢=REMの象徴とされるが「覚えていないだけ」のケースが大半。
ただしREMが不足すると夢の記憶が減少する傾向は確かにある。
「夢を見ていない気がする」+「朝ぼんやり」が続く場合はREM不足のサイン。
睡眠日誌やアプリでパターンを追跡すると分かりやすい。
Q4. アルコールで寝つきが良くなるのに、なぜ朝はだるい?
アルコールは入眠を助けるが、NREM(浅い眠り)を増加させる。
その代わりREMが削られるため、脳の整理が進まない。
夜明け前のREMが減り、「朝のスッキリ感」が得られない。
長期的には依存・リズム障害・認知機能低下を引き起こす。
まとめ
- REM遅延=「夜の光」「生活習慣」が主因
- 翌朝の集中力・気分安定・学習効率に直結
- 防ぐには 「夜の光を避け、朝の光を浴びる」 が最強の対策
REM遅延=「夜の光」と「生活習慣」が主因です。
翌朝の集中力・気分安定・学習効率に直結するため、防ぐには「夜の光を避け、朝の光を浴びる」のが最も効果的です。
読者へのメッセージ
寝る前のたった60分の工夫が、翌日のあなたのパフォーマンスを劇的に変えます。

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