咳は単なる体の反射ではなく、体内時計（サーカディアンリズム）に深く影響を受けます。
特に、夜間に咳が悪化する原因として、体内時計が免疫機能や気道の状態を調整していることが挙げられます。
また咳込みは家族を起こしてしまう可能性が高く、家庭内での問題としてなりやすいですね。
我が家では、熱よりも咳込みを嫌ってます！
この記事では、咳と体内時計の関係について科学的根拠に基づき詳しく解説し、効果的な対策もご紹介します。
目次
咳と体内時計の関係を科学的に解説
1. 夜間に咳が悪化する理由
夜間に咳が増える理由は、次のような要因に関連しています。
副交感神経が優位になる
夜間は副交感神経が優位となり、気道が収縮しやすくなります。このため、少しの刺激でも咳が引き起こされることがあります。
参考文献: Spengler, C. M., & Shea, S. A. (2000). Endogenous circadian rhythm of pulmonary function in healthy humans. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, 162(3), 1038-1046.
気道の炎症が強まる
夜間は体内のコルチゾール（抗炎症作用を持つホルモン）の分泌が減少し、炎症が悪化しやすいです。これにより、喘息や慢性閉塞性肺疾患（COPD）の患者で夜間の咳が増加することがあります。
参考文献: Barnes, P. J. (2008). The cytokine network in asthma and chronic obstructive pulmonary disease. The Journal of Clinical Investigation, 118(11), 3546-3556.
2. 昼間は咳が減る理由
私が今回この記事を作成しようと思ったのは、「昼間は咳がでないのに、夜になると急に咳込みが増える」という声をいただいたのがきっかけです。
日中は交感神経が優位になり、気道が拡張されるため、咳が起こりにくくなります。
また、日中は体を動かすことで、痰や異物が自然に排出されやすくなるため、咳の頻度が低下します。
参考文献: Scheer, F. A., Hilton, M. F., Mantzoros, C. S., & Shea, S. A. (2009). Adverse metabolic and cardiovascular consequences of circadian misalignment. Proceedings of the National Academy of Sciences, 106(11), 4453-4458.
咳込みの症状を軽減する実践的対策
規則正しい生活リズムを保つ
毎日同じ時間に起床・就寝し、体内時計をリセットします。朝起きたら自然光を浴びることで、サーカディアンリズムを整える効果が期待できます。
寝室環境を整える
適切な室温と湿度を保ちましょう（理想的な室温は18〜22℃、湿度は50〜60%）。また、ダニやホコリを減らし、アレルギー性咳の原因を排除します。
夜間の咳を抑えるための薬の使用
喘息やCOPDの治療では、夜間の症状に合わせた薬物療法（例：吸入ステロイドや気管支拡張薬）が効果的です。医師と相談して適切な治療を受けましょう。
参考文献: Takeda, N., Maemura, K., Horie, S., Oishi, K., & Manabe, I. (2011). Chronological oscillation of gene expression in bronchial asthma. Allergy, 66(10), 1237-1243.
咳込みを軽減する簡単なセルフケア
就寝前に温かい飲み物を飲むと、気道をリラックスさせる効果があります。また、枕の高さを調整し、上半身を少し高めにすることで気道の負担を軽減します。
咳と体内時計の研究の最新動向
体内時計が咳や気道の状態に与える影響について、近年の研究では次のような知見が得られています。
- 体内時計遺伝子と咳の関連
CLOCKやBMAL1といった遺伝子が、気道の炎症や咳の感受性に関与していることが示されています。
参考文献: Haspel, J. A., Anafi, R., Brown, M. K., Cermakian, N., & Depner, C. M. (2020). Perfect timing: Circadian rhythms, sleep, and immunity — An NIH workshop summary. Journal of Clinical Investigation, 130(10), 5629-5637. - 時間薬理学（Chronopharmacology）
薬の投与時間を体内時計に合わせることで治療効果が向上する可能性があります。これにより、夜間咳の治療法がさらに進化することが期待されています。
まとめ：咳込みの原因と対策を科学的に理解しよう
咳は体内時計によって影響を受ける複雑な現象です。夜間の咳に悩む場合、生活習慣の改善や医師との相談が効果的です。
ぜひ、体内時計を整える生活を心がけ、咳込みの症状を軽減させましょう。
睡眠は減点法で考えるとシンプルです。
できるだけ眠れない原因を排除しましょう！
この記事を読んで役立つと思ったら、シェアやコメントをお願いします！
▼気になる記事７選▼
TikTokで睡眠情報発信しています
子ども自身が読んで学べる睡眠書籍
＼こども睡眠テキスト／
▼睡眠オタ推し！テコリア販売しています▼
画像をクリックでShopへ
▼YouTubeを参考に講演イメージください▼
