睡眠オタクの作業療法士として、皆さんにぜひ知ってほしいことがあります。
多くの人が「深い睡眠」や「長い睡眠」が良い睡眠だと信じていますが、本当にそうなのでしょうか?
最新の研究から見えてきた意外な真実をお伝えします。
目次
15万人のデータが示す睡眠の現状
上級睡眠健康指導士である角谷リョウ氏が監修した調査では、15万人に及ぶ睡眠データが分析されました。
このデータは、睡眠時間、睡眠の深さ、生活習慣、睡眠環境との関連性について詳しく調べられています。
主なデータのポイント
睡眠時間の傾向
□平均睡眠時間は6~7時間が最も多い。
□7時間以上眠る人でも睡眠の質が低いケースが多々見られた。
睡眠の深さと健康状態
□深い眠りが極端に長い人は、むしろ日中の疲労感や集中力の低下が見られた。
□浅い眠りやレム睡眠が不足している場合、記憶力や感情のコントロールに悪影響を及ぼしていた。
生活習慣の影響
□夜型の生活や不規則な食事時間が、睡眠の質を大幅に低下させる要因として挙げられた。
□睡眠の質が高い人は、寝る直前のスマートフォン使用を避ける傾向が強い。
睡眠環境の重要性
□温度や湿度が最適な寝室では、睡眠の深さと質がともに向上していた。
□マットレスや枕などの寝具が身体に合っている人は、睡眠の満足度が高かった。
睡眠オタクのチェックテスト
あなたの睡眠の質をチェックしてみましょう!
以下の3つから「はい」の数を数えてください。
- 朝、スッキリと目覚めることができる?
- 日中に眠気を感じることが少ない?
- 寝つきが良く、途中で目覚めることが少ない?
スコア
- 3つすべて「はい」:あなたの睡眠は良好です!
- 2つ「はい」:改善の余地があります。まずは寝具や環境を見直してみましょう。
- 1つ以下:「質」の改善が急務です。適切なアドバイスで快適な睡眠を手に入れましょう!
▼より細かくテストしたい方へ▼
「深い睡眠」だけが良い睡眠ではない!
多くの人が「深い眠り=良質な睡眠」と考えがちです。確かに深い眠りは重要ですが、それがすべてではありません。
実は、浅い睡眠といわれるレム睡眠も脳と身体の健康に大きな役割を果たしています。
深い眠りが必要以上に長いと、逆に体が必要な回復サイクルを妨げてしまうこともあります。
バランスが大事!各睡眠段階の役割
- 浅い眠り:脳のリラックスや筋肉の緩和に関与し、翌日の軽い活動への備えを整えます。
- 深い眠り:体の修復や成長ホルモンの分泌を促進し、体力の回復に不可欠です。
- レム睡眠:記憶の整理や感情の処理を助け、メンタルヘルスに寄与しています。
▼睡眠の各ステージについて▼
睡眠「長さ」より「質」が重要?
厚生労働省の調査によれば、日本人の平均睡眠時間は6~7時間。
しかし、睡眠の長さだけで健康を左右するわけではありません。質の高い睡眠を取るためには、睡眠環境や寝具、さらには生活リズムの見直しも重要です。
長時間眠るだけでなく、質の良い眠りを実現することが本当の健康への鍵です。
質を高めるためのポイント
- 睡眠環境の最適化:室温や湿度を調整し、快適な眠りをサポートしましょう。
- 寝具の見直し:自分に合ったマットレスや枕を選ぶことで、眠りの質が格段に上がります。
- 生活リズムの安定:毎日の起床時間を一定にすることで、自然な眠りのリズムが整います。
まとめ
深く長い睡眠を求めすぎると、かえって健康を損ねる可能性もあります。大切なのは、質の高い睡眠を確保すること。自分に合った生活習慣や環境で、健やかな毎日を手に入れましょう!
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参考文献
- 厚生労働省「令和4年 国民健康・栄養調査」
- 角谷リョウ, 林宏明『睡眠は深ければいい?長ければいい?15万人のデータが示す真実』婦人公論.jp
- Hirshkowitz M, et al. (2015). “National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: Methodology and results summary.” Sleep Health.
- Walker, M. (2017). Why We Sleep: Unlocking the Power of Sleep and Dreams. Scribner.
- Rechtschaffen, A., & Kales, A. (1968). “A Manual of Standardized Terminology, Techniques and Scoring System for Sleep Stages of Human Subjects.” National Institute of Health.