
この記事を書いたのは
睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。
医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。
国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。
ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。
本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

朝、目が覚めてすぐにスマホを手に取り、LINEやインスタ、X(旧Twitter)をチェックしていませんか?
その行動、あなたの「脳」と「自律神経」と「睡眠の質」に、かなりのダメージを与えているかもしれません。
目覚ましをみたら、そのまま・・・なんて声をよく聞きます。
今回は、「朝起きてすぐSNSをチェックすることが、なぜ危険なのか?」
を、脳科学・自律神経・睡眠医学の観点から徹底的に解説します。

目次
🧠 寝起きの脳は“ぼんやり”が正解
💤 睡眠慣性とは?
起床直後の脳は、「睡眠慣性(Sleep Inertia)」というぼんやり状態にあります。
- 判断力・集中力が低下し
- ぼーっとしていることが自然な状態
なのですが…そこで急にスマホから情報の洪水を浴びると、脳が「処理不能」状態に。
▶ 脳は「まだ寝てる」のに、情報だけが怒涛のように流れ込む。
このギャップがストレスを生む!

📱 SNSチェックは“朝の交感神経ジャック”
🚨 交感神経の過剰刺激
SNS通知・コメント・画像・ニュース…
これらは全て、交感神経を一気に刺激します。
交感神経とは「闘争か逃走」のスイッチ。
- 血圧上昇
- 心拍数増加
- 胃腸機能低下
まさに、“朝イチから戦闘態勢”になるわけです。
▶ でも、起きたばかりの身体にはその負荷が大きすぎる。
🧠 前頭前野が疲れる=即お疲れ
朝にSNSで使われるのは脳の司令塔「前頭前野」。
- 情報の取捨選択
- 他人との比較
- 感情コントロール
これを起きてすぐフル稼働させてしまうと、脳のエネルギーが午前中で尽きることも。
▶「朝からSNS見た日は、なぜかやる気が出ない」…それ、脳が疲れてるサインです。

😨 ネガティブ情報が一日を支配
SNSのタイムラインには、
- 他人の幸せアピール
- 炎上・悪口・ネガティブニュース
などが並びます。これが朝一番に視覚に入ると、脳が「不安モード」に入ってしまいます。
ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が増え、不安感・焦燥感・イライラしやすくなります。
▶ 朝の気分が悪いと、その日1日が“負けモード”になる。
起床後15分は“ゴールデンタイム”
なぜ最初の15分が重要?
起きてすぐの脳は「睡眠慣性」と呼ばれる状態で、まだ覚醒しきっていません。
この時間帯は、脳も自律神経もリハビリ中のような状態。
この“ぼんやり”を無理に覚醒させようとすると、脳疲労やストレスホルモンの急増を招きます。
とくにSNSのような強い情報刺激は、起きたばかりの前頭前野には過剰。
結果として、午前中から「なんとなくしんどい」「集中力が出ない」といった状態になりやすいのです。
朝スマホ→脳疲労→パフォーマンス低下
- SNS → 感情の起伏・情報処理 → 前頭前野を酷使
- 不安・怒り・嫉妬などの感情刺激 → 自律神経が乱れる
- 結果的に「朝から疲れた」「やる気が出ない」
…そんな日が増えます

一日を変える“朝のルーティン”チェックリスト
以下は、スマホに代わる「脳にやさしい目覚め方」です。
▼どれも簡単に取り入れられます▼
□ カーテンを開けて朝日を浴びる(セロトニンのスイッチON)
□ コップ1杯の白湯を飲む(内臓をやさしく起こす)
□ その場で軽く背伸び・肩回し(交感神経をゆるやかに活性化)
□ 好きな音楽 or 鳥のさえずりを流す(感情を整える)
「スマホは15分だけ待つ」
それだけでも、脳と身体の立ち上がりがスムーズになります。

実は多い?「朝スマホ症候群」の自覚症状
スマホを目覚まし代わりにしている人は特に要注意!
以下に1つでも心当たりがあれば、朝スマホの影響を受けている可能性があります。
□ 起きてすぐ気分が沈む
□ 午前中にイライラしやすい
□ 仕事や家事の集中が続かない
□ 夜になっても頭が冴えて寝つけない
これらはすべて、“朝のスマホ習慣がもたらす自律神経の乱れ”が背景にあるかもしれません。
🔁 睡眠の質にも悪影響
朝一番のスマホ習慣は、睡眠にも悪影響を及ぼします。
- 朝日を浴びない
- 身体を動かさない
- SNSで脳疲労を起こす
こうした行動は、メラトニンのリズムを乱し、夜の寝つきを悪くします。
▶「朝のスマホ」が「夜の不眠」につながる。まさに“睡眠負債スパイラル”。

📊 SNSの習慣が引き起こす悪循環
行動 | 影響 | 長期的リスク |
---|---|---|
起床後すぐにSNSを見る | 睡眠慣性を壊す・交感神経が過剰反応 | 慢性疲労・集中力低下 |
情報過多に晒される | 前頭前野が早期疲労 | 午後のパフォーマンス低下 |
ネガティブ情報に触れる | コルチゾール増加 | 不安感・メンタル不調 |
朝日を浴びない | 体内時計のズレ | 入眠困難・睡眠障害 |
✅ 睡眠オタOTからのアドバイス
朝SNSチェックをやめるには?
- スマホは寝室に持ち込まない
- 起きたらまずカーテンを開ける
- 白湯を飲む・軽くストレッチ
- 30分後にSNSチェックタイムを設定する
▶ 朝一番の10分を変えるだけで、その日の睡眠の質まで変わります。
まとめ「朝SNS」は“脳と睡眠の敵”
- 脳は朝ゆっくり立ち上がるもの
- SNSの刺激は朝には強すぎる
- 不安・焦り・睡眠の質低下を引き起こす
- 習慣化すると「日中の不調→夜の不眠→翌朝のスマホ依存」という悪循環に

🔔 ぜひ試してみてください!
明日から「朝一番、スマホを見ない」を1週間だけ続けてみてください。
きっと、朝の気分・昼の集中力・夜の寝つきが変わりますよ。
▼気になる記事3選▼
📚 参考文献
- Tassi, P., & Muzet, A. (2000). Sleep inertia. Sleep medicine reviews, 4(4), 341-353.
- Cain, N., & Gradisar, M. (2010). Electronic media use and sleep in school-aged children and adolescents: A review. Sleep medicine, 11(8), 735-742.
- Levenson, J. C., Shensa, A., Sidani, J. E., Colditz, J. B., & Primack, B. A. (2016). The association between social media use and sleep disturbance among young adults. Preventive medicine, 85, 36–41.
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