この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

はじめに

最近なかなか寝つけない」「夜中に目が覚める」そんな悩みはありませんか?

睡眠講演の際に「相談があります」と話を聞くと、そのように言われる方が結構多いです。

その原因、「自律神経の乱れ」かもしれません。

ストレス社会というよくいうので、自律神経が乱れている!と感じる方も多いのでは?

本記事では、自律神経と睡眠の密接な関係について、睡眠オタクなOTとして詳しく解説します!
さらに、自律神経を整えて質の高い睡眠を得る具体的な方法も紹介します。

自律神経とは?睡眠との関係を深掘り

自律神経の基本的な仕組み

自律神経は、私たちの意思とは関係なく、体の内臓や血管、呼吸、代謝などを自動的にコントロールする神経です。
主に以下の2つの神経から構成されています。

  1. 交感神経(アクセル):日中の活動時や緊張時に優位になる。心拍数や血圧を上げ、身体を活発にする。
  2. 副交感神経(ブレーキ):リラックス時や睡眠時に優位になる。心拍数や血圧を下げ、身体を休息・回復モードにする。

睡眠と自律神経の切っても切れない関係

睡眠には副交感神経の働きが欠かせません。
眠りにつく前に副交感神経が優位になることで、体温が下がり、心拍数や呼吸がゆっくりになり、スムーズに眠りに入ることができます。

ここで1つポイントが「体温が下がる」ということです。

寝る前のお風呂や激しい運動は逆効果ということ!

またストレスや生活習慣の乱れにより交感神経が過剰に働くと、心拍数が高くなり、脳が興奮状態のまま眠れなくなるのです。

引用元:こども睡眠テキスト

自律神経が乱れる原因と睡眠への影響

自律神経の乱れを引き起こす主な原因

  1. 慢性的なストレス
    → 交感神経が過剰に働き、リラックスできなくなる。
  2. 生活習慣の乱れ(夜更かし・不規則な食事)
    → 体内時計が乱れ、副交感神経の働きが低下。
  3. スマホ・PCの過剰使用(ブルーライト)
    → メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制され、睡眠リズムが崩れる。
  4. 運動不足
    → 交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われなくなる。

自律神経の乱れが睡眠に与える影響

  • 寝つきが悪くなる(入眠障害)
  • 夜中に目が覚める(中途覚醒)
  • 早朝に目が覚める(早朝覚醒)
  • 熟睡感が得られない(熟眠障害)

これらはすべて、自律神経の乱れが原因で起こる可能性があります。

自律神経を整えることで睡眠の質を高める方法

1. 深呼吸と瞑想で副交感神経を優位に

深呼吸瞑想は、交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にする効果があります。

  • 方法:4秒吸って、8秒かけてゆっくり吐く(4-8呼吸法)
  • 時間:寝る前に5分程度(最初は1分からでも!)

2. 寝る前のストレッチやヨガ

軽いストレッチヨガは、筋肉の緊張をほぐし、リラックス効果を高めます。

  • おすすめポーズ:チャイルドポーズ、キャット&カウポーズ

3. スマホ・PCの使用制限

就寝の1〜2時間前はスマホ・PCの使用を控え、ブルーライト+SNSの影響を避けることが重要です。

4. 就寝前の温活(お風呂や足湯)

38〜40℃のお風呂に15分程度浸かることで、体温が一時的に上昇し、入眠時にスムーズに体温が下がるため眠りやすくなります。

ただし、お風呂は寝る2時間前に済ませましょう!体温が下がらないと眠気はやってきません!

5. 規則正しい生活リズム

  • 起床・就寝時間を一定に保つ
  • 朝日を浴びて体内時計をリセット

睡眠改善のための簡単テスト

以下のチェック項目に該当する数を数えてみてください

  1. 寝る直前までスマホやPCを触っている
  2. 日中にストレスを強く感じる
  3. 夜遅くにカフェインを摂取している
  4. 運動不足が続いている
  5. 就寝時間・起床時間がバラバラ

0〜1個: 自律神経は安定しています。
2〜3個: 自律神経が少し乱れているかも。改善が必要です。
4〜5個: 自律神経が大きく乱れています。すぐに生活習慣の見直しを!

まとめ

なかなか自律神経を整えるというと抽象的すぎて難しいかもしれませんが、自分がリラックスできることを知っておくと、いざってときに使えます

ご自身の身体と向き合ってますか?

この記事をきっかけにそのような機会をつくってみてください。個人的には、お風呂の中がオススメ!

  1. 自律神経の乱れは睡眠の質を大きく左右する
  2. 交感神経と副交感神経のバランスが重要
  3. 深呼吸・ストレッチ・生活習慣の改善で自律神経を整えることがカギ

質の高い睡眠を手に入れるために、自律神経のケアを今日から始めましょう。

睡眠講演随時受付中▶詳細

\ 最新の記事をスワイプ👆⇒ /

【保存版】睡眠不足が引き起こした事故の真実|交通・医療・産業現場の事例と防ぐための科学的方法

睡眠不足は交通事故・医療ミス・産業災害など重大な事故の原因となります。本記事では有名事例や脳科学的メカニズム、社会的損失のデータを基に、日常でできる予防策までを作業療法士が徹底解説。安全と健康を守るために「眠り」の重要性を再発見できます。
Read More

三重・愛知・岐阜の経営支援|“動かしたいのに動けない”事業を動かす

三重・愛知・岐阜エリアで「新規事業を立ち上げたいが動き出せない」経営者へ。現場と経営をつなぐ“機能デザイン支援”で、構想を実行可能な仕組みに変える。人材育成×AI・健康経営・業務効率化まで一貫してサポートし、想いを動く力へ。事業の停滞を突破し、次のステージへ導きます。
Read More

「どうせ報われない」心が折れるのは疲れのせいじゃない|学習性無力感と睡眠の深い関係

「どうせ報われない」と思ったときに心は折れる。これは心理学でいう学習性無力感と呼ばれる現象で、報酬系やストレス系の脳回路と深く関係しています。睡眠不足は無力感を悪化させ、十分な睡眠は心を再び立ち上がらせる力を持ちます。本記事では心理学・神経科学・睡眠科学のエビデンスを基に、心が折れる仕組みと回復法を解説します。
Read More

リハビリは訓練だけじゃない|自費リハの見直し“機能改善のデザイン”とは

リハビリは訓練だけでは十分ではありません。ケアやトレーニング、睡眠や食事など生活習慣を含めた“機能改善のデザイン”が大切です。本記事では、リハビリを受ける方や家族ができる具体的な習慣づくりから、保険外訪問パーソナルリハの活用まで徹底解説します。
Read More

浅間山荘事件から考える睡眠不足の恐怖|4時間睡眠が判断を狂わせる理由

1972年の浅間山荘事件は、日本犯罪史に残る大規模立てこもり事件。警察は「睡眠4時間未満で判断力が低下する」という心理学者の助言を活かし、音や光で犯人を追い込んだ。テレビ中継が国民の9割を釘付けにした歴史的事件をもとに、睡眠不足の科学的メカニズム、そして睡眠を守る実践戦略までを徹底解説します。
Read More

\ 石垣のInstagram /

よくある質問(FAQ)

Q1. 自律神経の乱れはどのように検査できますか?
A1. 自律神経のバランスは心拍変動(HRV)検査ストレスチェックなどで測定可能です。

Q2. 市販のサプリメントで自律神経は整いますか?
A2. GABAテアニンなどのサプリは副交感神経をサポートしますが、生活習慣の改善が最優先です。

Q3. 自律神経失調症と不眠症は違う病気ですか?
A3. 密接に関連していますが、異なる病気です。自律神経失調症が原因で不眠になることもあります。

▼気になる記事7選▼

\書籍はWEBで購入可/

\睡眠オタのYouTubeチャンネル/

\どんな活動してるの?/