イライラが止まらないのは「寝不足」が原因だった?怒りっぽい脳と睡眠の密接な関係

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この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

イライラが止まらないのは性格のせいじゃない?

「最近ちょっとしたことで怒ってしまう…」

「自分でも感情が抑えられない…」

そんなあなたは、“自分の性格が悪い”と思っていませんか?

でも実はその怒りっぽさ、脳の疲労=寝不足が原因かもしれません。

感情をコントロールする脳「前頭前野」は睡眠でしか回復しない

感情のブレーキが壊れてる!?

脳の前方にある「前頭前野」は、感情や衝動を抑える役割を担う重要なエリア
しかし、睡眠不足が続くとこの部位が機能低下してしまいます。

結果、次のような状態に:

  • 些細なことでイライラ
  • 怒りのコントロールが効かない
  • 理不尽な反応が増える

つまり、寝ていないだけで「理性のブレーキ」が壊れている状態なんです。

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イライラしやすい人に共通する特徴とは?

チェックしてみましょう

✅特徴解説
常に疲れている睡眠で脳が回復していない証拠
集中力が続かない前頭前野がオーバーヒート中
甘いもの・カフェインに頼る血糖値とホルモン変動で感情が不安定に
音や匂いに敏感感覚過敏は脳の疲労サイン
寝る直前までスマホメラトニン抑制→眠りが浅くなる

🧠【豆知識】怒りっぽい人は「脳の炎症」が強い?

睡眠不足が続くと、神経細胞に微小な炎症が起きることが分かっています。
この“脳の炎症”がイライラや抑うつの一因になっている可能性も。

感情の暴走は「扁桃体」が関与している

怒りのアクセルがベタ踏み状態!

扁桃体(へんとうたい)は、不安や恐怖、怒りなどの感情を生み出す“原始的な脳”の一部です。

睡眠不足により:

  • 扁桃体の過剰反応が起こる
  • 感情が暴走しやすくなる
  • 他人の言動を悪意的に受け取りやすくなる

怒りのアクセル全開+理性のブレーキが壊れる──
これが“寝不足の怒りっぽさ”の正体です。

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睡眠不足はホルモンバランスも乱す

コルチゾールとセロトニンのバランスが鍵

  • コルチゾール(ストレスホルモン):寝不足で上昇し、イライラしやすくなる
  • セロトニン(幸せホルモン):睡眠で生成され、感情を安定させる

つまり、睡眠が不足すると:

  • ストレスMAX
  • 幸せ感DOWN
  • 情緒メルトダウン

🧠【豆知識】睡眠中に“怒りの解毒”が行われている

レム睡眠中、感情記憶は「解毒」され、怒りや恐怖を“処理”してくれています。
つまり、寝なければ怒りが蓄積するということ。

子どもも大人も「寝不足で怒りやすくなる」

子ども:寝不足で癇癪(かんしゃく)を起こしやすくなる

  • 夜更かしが多い子ほど、日中の機嫌が悪くなる
  • 保育園・小学校でも“眠れてない子ほど怒りやすい”傾向が確認されている

大人:職場や家庭でのトラブルにつながる

怒りを抑えたいなら、まず“寝る”こと

アンガーマネジメントの前に「脳の回復」

もちろん深呼吸や数秒ルールなどのアンガーマネジメントは有効ですが、
脳の基盤が疲れていては、感情を制御できません

まずは:

  • 夜は6時間以上寝る
  • 決まった時間に就寝・起床
  • 寝る1時間前からスマホ・TVを控える

感情の安定は「行動」ではなく「脳の健康」から。

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まとめ|怒りっぽさの正体は“睡眠不足”だった

  1. 怒りやすさ=性格でなく「脳疲労」
  2. 前頭葉・扁桃体・ホルモンのバランスが崩れて暴走状態
  3. 睡眠が回復の土台。寝れば性格も変わる可能性あり!

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よくある質問(FAQ)

Q1. 何時間寝れば感情は安定しますか?
A. 最低でも6時間以上、理想は7〜8時間の連続した睡眠が推奨されます。特に深い睡眠(ノンレム睡眠)が重要です。

Q2. 寝てもイライラが収まらないのはなぜ?
A. 睡眠の“質”が低い可能性があります。睡眠時無呼吸、スマホのブルーライト、寝酒、室温の問題などを見直しましょう。

Q3. 子どもがすぐ怒るのですが、関係ありますか?
A. はい、子どもの怒りや癇癪も睡眠不足と密接に関係しています。夜更かし習慣や入眠環境の見直しが必要です。

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