この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

「布団に入ったら、秒で寝るんです」

それ、一見“理想的な睡眠”に聞こえますよね。

✔ 寝つきがいい
✔ 眠れないストレスがない
✔ 周りからは「羨ましい」と言われる

でも、医療・睡眠の視点から見ると、実は要注意なケースが少なくありません。
この記事では、“即寝=良い睡眠”という思い込みをやさしくほどきながら、
本人が気づきにくいリスクと、今日からできる整え方を解説します。

そもそも「即寝」とはどんな状態?

一般的に、
布団に入ってから5分以内に意識を失うように眠ってしまう状態を指します。

睡眠研究の世界では、

  • 入眠まで 10〜20分程度
    が“自然で健全”とされることが多いです。

つまり、
「早すぎる入眠」も、実は身体からのサインなのです。

即寝が「問題になりやすい」3つの理由

① 脳と神経が“疲れ切っている”可能性

即寝の多くは、
回復ではなく、気絶に近い状態で眠りに落ちているケース。

・仕事中も常に緊張
・スマホや情報過多で脳が休まらない
・自律神経が切り替わらないまま1日が終了

こうした状態が続くと、
「オン → オフ」ではなく「オンのまま強制終了」になります。

▶ 結果

  • 夜中に目が覚める
  • 朝スッキリしない
  • 寝たはずなのに疲れが残る

② “眠れているのに回復していない”睡眠になりやすい

即寝タイプの人に多いのが、
睡眠時間は足りているのに、疲労が抜けないという感覚。

これは、

  • 深い睡眠(ノンレム睡眠)が安定しない
  • 睡眠の前半が乱れやすい

といった特徴と関係します。

睡眠は
「早く寝る」よりも「どう入るか」が重要

即寝は、その準備プロセスをすっ飛ばしている状態とも言えます。

③ 本人が「不調に気づきにくい」

ここが一番の落とし穴です。

✔ 寝つきはいい
✔ 寝不足感もない
✔ だから問題ないと思っている

でも実際には、

  • 集中力が落ちている
  • イライラしやすい
  • 休日は寝だめしないと動けない

こうした“じわじわ型の不調”が隠れていることが非常に多い

引用:こども睡眠テキスト▶詳細

第三者視点:医療・現場から見る「即寝タイプ」

作業療法士として、臨床や生活指導の現場で感じるのは、

「即寝の人ほど、日中を無理している」という事実。

・姿勢が崩れたまま長時間作業
・呼吸が浅い
交感神経優位がデフォルト

つまり、
日中の“がんばりすぎ”を、夜で帳消しにしようとしている状態です。

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「即寝=悪」ではない。問題は“続いているか”

ここで大切な視点。

✔ たまに即寝 → 問題なし
✔ 連日即寝 → 要チェック

特に以下に当てはまる人は要注意です。

  • 朝からすでに疲れている
  • 休日は何時間でも寝られる
  • カフェインがないと回らない
  • 寝起きに首・腰が重い

これらはすべて、
睡眠の質より“消耗”が勝っているサインです。

今日からできる「即寝体質」からの脱出ヒント

● 入眠前に“クッション時間”をつくる

布団=即オフ、になっている人ほど必要。

  • 照明を落とす
  • スマホは寝室の外へ
  • 深呼吸を3回

たった5〜10分でOK。

● 「眠る準備」を体に教える

おすすめは

  • ゆっくりした首・胸のストレッチ
  • 呼吸を“吐く”意識

交感神経から副交感神経への
切り替えスイッチを作ることが目的です。

● 寝具・姿勢も見直す

即寝タイプほど、
寝返りが少なく、身体が固まりやすい傾向があります。

・マットレスが硬すぎないか
・枕が高すぎないか

これは睡眠の“質”に直結します。

即寝タイプの人が気づきにくい「日中の無理」チェックテスト

直感で「はい/いいえ」で答えてください

▶ 5つ以上当てはまる人は、即寝=回復ではなく“消耗の強制終了”の可能性あり

🧠 脳・神経の使いすぎサイン

☐ 仕事や家事の合間でも、頭の中が常に何か考えている
☐ 何もしていない時間があると、逆に落ち着かない
☐ スマホを触っていないと「間がもたない」
☐ 1日の終わりに、どっと思考が止まる感覚がある

💪 身体の無意識な緊張サイン

☐ 肩や首に力が入っている自覚がほとんどない
☐ 歯を食いしばっていることを指摘されたことがある
☐ 呼吸が浅いと言われた、または自覚がある
☐ イスに座るとき、背もたれをほとんど使っていない

⏰ 生活リズム・回復のズレ

☐ 休日は平日より2時間以上長く寝てしまう
☐ カフェインがないと午後がもたない
☐ 寝る直前まで予定やSNSを詰め込みがち
☐ 朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めても疲れが残る

🧠 感覚の鈍さ(ここが一番見逃されやすい)

☐ 疲れているかどうかを聞かれると答えに困る
☐ 不調を「年齢のせい」「忙しいから」と流しがち
☐ 痛みやだるさは我慢できる方だと思う
☐ 自分のケアは後回しになりやすい

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チェック結果の見方

  • 0〜4個
     → 日中と夜の切り替えは比較的できている状態
  • 5〜9個
     → 無理が“習慣化”し、即寝が起こりやすいゾーン
  • 10個以上
     → 身体はすでに「休ませてほしい」と強くサインを出しています

なぜ即寝タイプは「気づけない」のか?

即寝の人は
✔ 我慢強い
✔ 真面目
✔ 頼られやすい

という特徴を持つことが多く、
疲労を感じる前に“動き続けてしまう”傾向があります。

結果として、

疲れた → 休む
ではなく
限界 → 寝落ち

という回路が出来上がってしまう。

まとめ|「すぐ寝られる」は体からのメッセージ

即寝は、
✔ がんばり屋
✔ 真面目
✔ 自分を後回しにしがち

そんな人ほど起きやすい現象です。

眠れている=整っている、ではない。
睡眠は、回復の“結果”であって、
無理を打ち消す“魔法”ではありません。

もしこの記事を読んで、
「ちょっと当てはまるかも」と感じたら、
それは身体からの大事なサイン。

今夜は、
**“すぐ寝る”より、“整えてから眠る”**を意識してみてください。

あなたの睡眠は、まだもっと良くなります。

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