目次
🛌「長く寝たら健康」ってホント?
「昨日は10時間も寝た!」
「うらやましい~健康的!」
──そんな会話、聞いたことありませんか?
確かに「睡眠時間」は健康の指標の一つです。
でも、長く眠れている=正しい・健康と信じ込んでいると、実は落とし穴があります。

💡長く寝てるのにスッキリしないのはなぜ?
こんな経験はありませんか?
- 8時間以上寝たのに起きたらだるい
- ずっと寝ていたのに日中眠い
- 「寝過ぎて頭が痛い」なんてことも…
これ、実は睡眠の「質」が低いサインかもしれません。
🧠【豆知識】長すぎる睡眠は死亡リスクも高める?
2010年のメタ分析(Cappuccio et al., Sleep, 2010)では、9時間以上の睡眠をとる人は心血管疾患・糖尿病・うつ病・総死亡リスクが上昇すると報告されています。
長ければいい、とは限らない睡眠の現実です。
🧠睡眠の「質」と「量」は別物!
人間の睡眠は、以下のような周期でできています。
- ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互に出現
- 1サイクル約90分、これを1晩で4〜6回繰り返す
つまり、**深い眠りがちゃんと取れているか?**がカギです。
いくら10時間寝ても、ノンレム睡眠が浅ければ「疲れが取れない」のは当然。
ただ寝れてたらいいというわけではない!ということですね。
「よく寝てるけど疲れがとれない」なんていう人は「睡眠の質」を見直しましょう。
⚠️“長時間睡眠”のリスクとは?
睡眠時間が7〜9時間を超えてくると、逆にリスクも指摘されています。
- 認知症やうつ病との関連
- 筋力低下、運動量の減少
- 社会活動への意欲低下
「寝すぎ」は、エネルギーの低下サインとして現れる場合もあります。
🧠【豆知識】うつ病の約40%が「過眠」タイプ
DSM-5(2013)では、うつ病患者の約4割が過眠傾向にあるとされています。
「眠れるから元気」とは限らず、眠りすぎ=不調のサインであることも。
💬「眠れる=健康」とは限らない
例えば以下のようなケース
状況 | 表面的には | 実は… |
---|---|---|
10時間寝ている | よく眠れてる | 低活動・過眠の兆候かも |
昼寝2時間+夜8時間 | 合計10時間で安心 | 睡眠リズム崩壊で夜の質低下 |
寝ても寝ても眠い | よく寝てる証拠? | 睡眠時無呼吸症候群の可能性も |
👓作業療法士が見る「眠りすぎ」の背景
私は現場で、以下のような背景をよく見てきました。
- 抑うつ状態での「逃避睡眠」
- ストレスによる身体疲労→寝ても回復しきれない
- 運動不足で睡眠圧が弱く、浅い睡眠を長く取る状態(これ私的には多い印象)
つまり、「眠れる=OK」と片づけると、本当の問題が見えなくなるのです。
▼朝型夜型・クロノタイプ診断(無料)▼

✅チェックしてみよう!あなたの睡眠の質は?
□ 起床後スッキリしている
□ 週末も平日と同じ時間に起きられる
□ 日中に強い眠気がない
□ 寝つきが15分以内
□ 途中で目覚めない/すぐ寝直せる
3つ以上当てはまれば、質の高い睡眠が取れている可能性大!
🧠【豆知識】15分以内で眠れる=“眠り力”が高い!
入眠まで15分以内で眠れる人は、睡眠圧と体内時計が整っていることを示しています。
20分以上かかる人は、自律神経やメンタルバランスの乱れが隠れている場合も。
逆に「即寝」過ぎる、布団に入って5分以内に寝る人もOUT!脳から出る疲れすぎのサインですね。
🧭じゃあどうすればいいの?
「長く寝る」より「良く眠る」ことを目指しましょう!
具体的には:
- 朝は同じ時間に起きる(休日も)
- 朝日を浴びて体内時計を整える
- 寝る90分前に入浴
- 寝床ではスマホNG
- 日中に軽く身体を動かす

\ 最新の記事をスワイプ👆⇒ /
【長く眠る=正義ではない】睡眠時間の“落とし穴”と質を高める本当の方法【作業療法士解説】
【アンコンシャス・バイアスとは】なぜあの人は自分にだけ冷たい?職場の“思い込み”と人間関係のトラブル解決法
【保存版】痛みと酸性体質の深すぎる関係|その慢性痛、“体内のpHバランス”が原因かも?
【三重】保険外リハビリ訪問サービス|経験豊富な理学・作業・言語の専門家が直接サポート
【朝がつらい…】寝起きが悪い人の5つの共通点と今すぐできる対策
脳と運動から見る睡眠障害の正体|医療職向け解説|ナルコレプシーとREM行動障害

🌙まとめ:「長く眠る=正義」ではなく、「深く眠る=資産」
睡眠を「時間」だけで評価してしまうと、
本来見なければいけない“質の低下”に気づけなくなります。
長く眠っていても、質が悪ければ疲れは取れません。
逆に、6〜7時間でもしっかり深く眠れた方が、心も体も整うのです。
▼気になる記事3選▼
🧠睡眠オタクな作業療法士からひとこと
眠りは「投資」です。
翌日、集中力高く、パフォーマンスを上げるためには必要です。
時間だけで満足するのは、安物買いの銭失い。
大切なのは、「どれだけ深く眠れたか」。
あなたの睡眠、“時間”にだまされてませんか?
もちろん基本として時間も大切ですが、今日から“質”を見つめ直しましょう。

\書籍はWEBで購入可/

\睡眠オタのYouTubeチャンネル/

\どんな活動してるの?/

よくある質問
Q1. 長く寝ると逆に疲れるのはなぜ?
🧠長時間睡眠(9時間以上)は、むしろ「睡眠の質の低下」や「自律神経の乱れ」が疑われる場合があります。
厚生労働省の調査によると、長すぎる睡眠はうつ病・糖尿病・心血管疾患との関連があることが示唆されています。
👉 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病」{:target=”_blank”}
Q2. 何時間寝るのがベスト?
🧠厚生労働省や国立精神・神経医療研究センターでは、成人は7〜9時間の睡眠が推奨されているとしています。
短時間睡眠は肥満・高血圧・うつ病リスクの増加、逆に長時間睡眠も健康障害と関係すると報告されています。
👉 NHK健康チャンネル「何時間眠ればいい?」{:target=”_blank”}
👉 厚労省 睡眠指針(睡眠12箇条){:target=”_blank”}
Q3. 昼寝と夜の睡眠、どちらが大事?
🧠基本的には夜の連続した睡眠が重要ですが、昼寝には認知機能や作業効率を補う効果があります。
ただし15〜30分以内が望ましく、それ以上の昼寝は夜間の入眠障害の原因となる可能性があります。
👉 e-ヘルスネット「昼寝」{:target=”_blank”}