
この記事を書いたのは
睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。
医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、現在は三重県で「眠りのコツ研究所」と「Totonoe-整-」を運営しています。
国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。
ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。
本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。
目次
体内時計が乱れるとどうなる?
「朝起きるのがつらい…」
「夜、なかなか寝付けない…」
「昼間に眠気が襲ってくる…」
これらの悩みの原因は 体内時計の乱れ にあるかもしれません。
体内時計は、私たちの 睡眠、食事、ホルモン分泌、体温調節 などをコントロールする重要な仕組みです。
しかし、現代の生活ではスマホの光や夜型の生活習慣により、体内時計が乱れやすくなっています。
本記事では、「体内時計」とは何か?その仕組みと調整法 を、最新の研究を交えて詳しく解説します。

体内時計とは?基本の仕組み
体内時計(サーカディアンリズム:circadian rhythm)は、生物が約24時間周期で生理機能を調節する仕組みのことです。
これは、人間だけでなく 動物、植物、さらには細菌 にも存在し、生存に欠かせない生理機能 です。
私たちが朝に目覚め、夜に眠くなるのは体内時計の働き によるものです。
体内時計の基本的なリズム
体内時計は以下のような周期で働いています。
時間帯 | 体内時計の影響 |
---|---|
6:00 – 8:00 | コルチゾール(覚醒ホルモン)が分泌され、目が覚める |
10:00 – 12:00 | 頭が冴えて作業効率が上がる時間帯 |
14:00 – 16:00 | 一時的な眠気 が訪れる |
18:00 – 20:00 | メラトニン(睡眠ホルモン)が抑制され、活動的になる |
22:00 – 24:00 | メラトニンが分泌され、眠気が増す |
2:00 – 4:00 | 最も深い眠りの時間帯 |

体内時計を司る「概日リズム」とは
体内時計のリズムは 「概日リズム(サーカディアンリズム)」 と呼ばれ、約24.2時間周期 のリズムを持っています。
24時間とズレる理由
人間の体内時計は 24時間よりも少し長い(約24.2時間) ため、放っておくと少しずつズレてしまいます。
このズレを調整するために必要なのが 光(特に朝の太陽光) です。
体内時計をコントロールする脳の「司令塔」
体内時計をコントロールしているのは、脳の 視交叉上核(しこうさじょうかく:SCN) という部分です。
視交叉上核は、目から入る光を感知し、体内時計をリセットする役割を持っています。
具体的な働きを以下の表にまとめます。
働き | 影響 |
---|---|
光を感知 | 朝の光を浴びると体内時計がリセットされる |
メラトニン抑制 | 朝の光がメラトニンの分泌を抑え、覚醒を促す |
コルチゾール分泌 | 朝の光でコルチゾールが分泌され、目覚めを助ける |
朝に太陽の光を浴びないと、体内時計がズレやすくなる ため、朝の散歩が重要なのです。

体内時計の乱れによる4つの問題
体内時計が乱れると、以下のような健康問題を引き起こします。
① 睡眠障害
- 夜更かしが習慣化 → 夜に眠れない
- 朝起きられない → 昼間の眠気が強くなる
- 昼夜逆転生活 → メンタル不調のリスク増大
② 肥満・生活習慣病
体内時計の乱れは インスリンの働きを低下 させ、肥満や糖尿病のリスクを高めます。
③ 免疫力の低下
体内時計が乱れると、免疫システムが正常に働かず、風邪や感染症にかかりやすく なります。
④ 精神的ストレス・うつ
体内時計が乱れると セロトニン(幸せホルモン)の分泌が低下 し、うつ状態を引き起こす可能性があります。
体内時計を整える5つの科学的方法
体内時計を整えるには、科学的に証明された方法 を実践することが重要です。
① 朝の太陽光を浴びる
- 起床後 30分以内に太陽光(2,500ルクス以上)を浴びる
- 晴れの日は 15分の散歩、雨の日は 窓際で光を浴びる
② 一定の時間に寝る・起きる
- 休日でも同じ時間に起きる ことで体内時計をリセット
③ 夜はブルーライトを避ける
- 22時以降はスマホやPCを控える
- ナイトモードやブルーライトカットメガネを活用
④ 食事の時間を固定する
- 朝食は必ず食べる(体内時計のリセットに重要)
- 夜遅い食事は避ける(消化リズムの乱れを防ぐ)
⑤ 適度な運動
- 朝の軽いストレッチ や 日中のウォーキング が有効
- 夜の激しい運動は逆効果

まとめ5点
- 体内時計は約24.2時間周期で働いている
- 視交叉上核が体内時計をコントロール
- 朝の光が体内時計リセットの鍵
- 体内時計の乱れは睡眠障害、肥満、免疫低下の原因
- 光・食事・運動の調整で体内時計は整えられる
体内時計を整え、快適な睡眠と健康を手に入れましょう!
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