目次
布団の中が暑くて目が覚める理由とは?
布団の中が暑いと感じる主な理由には以下が考えられます。
- 布団の保温性が高すぎる
特に冬用の厚手の布団を使用していると、体温調整が難しくなる場合があります。 - 寝室の温度・湿度が高い
寝室の環境が適切でないと、布団内の温度も上がります。 - 寝具の通気性が悪い
化学繊維や通気性の低い素材の布団は、熱をこもらせやすいです。 - 体温調節機能の乱れ
ストレスやホルモンバランスの乱れが原因で、発汗が増えることもあります。
暑さで目が覚めると睡眠にどんな影響がある?
布団の中が暑い状態で目が覚めることは、睡眠全体の質に多大な悪影響を及ぼします。以下に、具体的な影響を詳しく解説します。
1. 中途覚醒が増える
深い睡眠が妨げられる
布団内の温度が適切でないと、体が快適な温度を保てず、深い睡眠(ノンレム睡眠のステージ3)に入りにくくなります。深い睡眠は、心身の修復に不可欠な時間ですが、この段階が短縮されると、疲労回復が十分に行われません。
睡眠サイクルが分断される
人間の睡眠は約90分ごとのサイクルで、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠を繰り返します。しかし、暑さで目が覚めるとこのサイクルが途切れ、再び深い睡眠に戻るまでに時間がかかります。これが繰り返されることで、睡眠の質が低下します。
頻繁な目覚めが睡眠不足につながる
中途覚醒が増えることで、総睡眠時間が短縮される可能性もあります。睡眠時間が不足すると、身体機能の修復や記憶の定着が十分に行われなくなります。
2. 日中の眠気が強まる
睡眠の質低下が日中の集中力に影響
夜間に中途覚醒が多いと、睡眠の深さが不足し、翌日の日中に強い眠気を感じるようになります。これは、脳が十分な休息を得られないために起こります。
仕事や学習効率が低下
睡眠の質が低下すると、注意力や記憶力、問題解決能力が落ちます。日中の眠気は、これらの能力に影響を及ぼし、業務や学習のパフォーマンスを大幅に低下させます。
事故やケガのリスク増加
眠気が強いと、判断力や反応速度が低下します。これは、交通事故や作業中のケガなどのリスクを高める要因となります。
3. 自律神経の乱れ
交感神経の過剰な活性化
暑さによる中途覚醒は、体内で交感神経が優位になる原因になります。交感神経は「戦うか逃げるか」を制御する神経系であり、これが過剰に働くと、心拍数や血圧が上昇します。この状態が長く続くと、心身のリラックスが妨げられます。
副交感神経の働きが抑制される
通常、夜間は副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着き、体がリラックスした状態になります。しかし、繰り返し目が覚めることで副交感神経の働きが抑制され、深い休息を得ることが難しくなります。
ストレスホルモンの分泌増加
交感神経が優位になると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールの過剰分泌は、体内の炎症を引き起こしたり、免疫機能を低下させたりするため、健康に悪影響を及ぼします。
総合的な影響
- 中途覚醒による睡眠時間の不足
- 日中の強い眠気と集中力の低下
- 自律神経の乱れによるストレス増加や健康リスク
これらが複合的に影響し、睡眠不足の悪循環に陥りやすくなります。適切な温度管理や寝具の見直しを行うことで、これらの影響を防ぎ、質の高い睡眠を確保することが重要です。
「布団の中の温度」理想的な環境とは?
理想的な布団内温度は33±1℃、湿度は50~60%とされています。
この環境が整えば、体がリラックスしやすくなり、睡眠の質が向上します(Rechtschaffen & Bergmann, 2002)。
▼布団の中の温度について詳しく▼
布団が暑い原因別の対策法
1. 布団の素材が原因の場合
- 通気性の高い寝具を選ぶ
天然素材(コットンやリネン)のカバーやシーツを使う。 - 季節に合った布団を使用
夏用の薄手布団やタオルケットを取り入れる。
2. 室温や湿度が原因の場合
- エアコンや除湿器を活用
寝室の温度は16~20℃、湿度は40~60%に設定。 - 寝室の換気を行う
就寝前に窓を開けて空気を循環させる。
3. 身体の状態が原因の場合
▼カフェインとアルコールについて詳しく▼
快眠をサポートするおすすめアイテム3選
- 冷感マットレスパッド
通気性と冷却効果の高いパッドを敷いて、熱を分散。 - 温度調整可能なエアコン
タイマー設定で快適な温度を維持。 - 冷却ジェル枕
頭部の温度を下げることで、体全体の熱を調整。
睡眠オタクが教える「布団の中の暑さ」を解決する最終手段
どうしても改善しない場合は、寝具をオーダーメイドする方法があります。自分の体温や寝室環境に合わせた布団を選ぶことで、最適な睡眠環境を手に入れましょう。
まとめ:睡眠環境を整えて熟睡を手に入れよう
布団の中が暑くて目が覚める問題は、寝具や寝室の環境を見直すことで解決できます。快適な睡眠環境を整えることで、中途覚醒を防ぎ、質の高い眠りを実現しましょう。
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参考文献
- Rechtschaffen, A., & Bergmann, B. M. (2002).
“Sleep and heat loss: Interactions between core and environmental temperature.” Physiology & Behavior, 75(4), 457-462. - Okamoto-Mizuno, K., & Mizuno, K. (2012).
“Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm.” Journal of Physiological Anthropology, 31(1), 14. - Van Someren, E. J. W. (2000).
“Thermoregulation and age-related changes in the sleep-wake cycle.” Sleep Medicine Reviews, 4(2), 129-141. - Sleep Foundation (2023).
“Temperature and Sleep: How Ambient Temperature Impacts Sleep.” - Takahashi, M., et al. (2008).
“Effects of humid heat exposure on sleep.” Sleep, 31(5), 619-623. - 健康づくりのための睡眠ガイド2023
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