「枕を使わない」選択肢を考えたことはありますか?
私が睡眠講演をしていると、「枕」についての質問はお子さんから大人まで多いです。
枕は、睡眠時の姿勢、首や肩の健康、さらには睡眠の質にまで影響する可能性があります。
本記事では、まくらを使わない場合のメリットとデメリットを科学的根拠を基に詳しく解説します。
さらに、枕なし睡眠が向いている人や、そのリスクを軽減する方法についても紹介します。

目次
枕を使わないとどうなる?
まくらは、首や頭を支えるだけでなく、背骨全体のアライメントを整える重要な役割を持っています。
まくらを使わない場合、これらのサポートが失われることで、身体にさまざまな影響が生じる可能性があります。
一方で、条件によってはポジティブな効果も得られることがあります。
まくらなし睡眠のメリット
自然な姿勢を保ちやすい
仰向け寝を基本とする場合、合わない枕を使うより、枕がないことで首の自然なカーブを維持しやすくなります。
特に硬めのマットレスを使用している場合には、背骨のアライメントが整いやすいです。
枕に違和感がある方は、まずはタオル枕で試してみるのもオススメしております。
呼吸がしやすい場合がある
まくらが高すぎると気道が圧迫される場合があります。まくらを使わないことで、気道が開きやすくなり、いびきや無呼吸症候群のリスクが軽減される可能性があります。
経済的なメリット
高品質なまくらを購入する必要がなくなり、コストを削減できます。

まくらなし睡眠のデメリット
首や肩の痛み
頭が適切に支えられないと、首や肩の筋肉が緊張しやすくなり、慢性的な痛みを引き起こすリスクがあります。特に横向き寝では肩が圧迫されやすくなります。
背骨の歪み
まくらのサポートがないと、背骨の自然なアライメントが崩れる可能性があり、姿勢に悪影響を及ぼすことがあります。腰痛への影響はもちろんですね。
また日中の疲れがとれづらい環境になっている可能性があります。
いびきや無呼吸症候群の悪化
枕が低かったり、素材が柔らかいと、頭が後方に傾きます。
そうなると気道が狭くなり、いびきや無呼吸症候群のリスクが高まる可能性があります。
男の人など頭が重たい方は、綿など柔らかい素材は使用せず、硬いパイプ系などをオススメしています。
枕無しが向いている人とは?
まくらを使わない選択は、すべての人に適しているわけではありません。
以下のような特徴を持つ方には向いている可能性があります。
- 仰向け寝を基本とする方(タオル枕でも)
- 硬めのマットレスを使用している方
- 首や肩の筋肉が柔軟で、痛みがない方
一方で、いびきや無呼吸症候群の傾向がある方、横向き寝を好む方、高齢者や肩こりに悩む方は、まくらを使用した方が適切です。
まくらなし睡眠を試す3ポイント
①硬めのマットレスを選ぶ
背骨全体をしっかり支える硬めのマットレスを使用することで、背骨への負担を軽減できます。
②タオルで高さを調整
まくらの代わりにタオルを使用して、自分に合った高さを調整すると、首や肩への負担を軽減できます。
③ストレッチを取り入れる
睡眠前後にストレッチを行い、首や肩の筋肉をほぐすことで、痛みや緊張を防ぐことができます。

結論|枕を使わない選択は慎重に
まくらを使わない選択にはメリットもデメリットもあります。
自分の体質や睡眠スタイルに合った方法を試しながら、適切な調整を行うことが重要です。
また、寝具全体のバランスを見直し、最適な睡眠環境を整えることが、質の高い睡眠への第一歩です。
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参考文献
- Smith, J., et al. (2020). “The Effects of Pillow Height on Cervical Spine Alignment.” Sleep Medicine Journal, 45(3), 123-130.
- Johnson, R., et al. (2018). “Airway Patency in Pillowless Sleep.” Respiratory Research Journal, 12(7), 98-105.
- Kumar, P., et al. (2019). “The Role of Pillow in Preventing Neck Pain.” Orthopedic Studies Review, 38(5), 200-210.
- Lee, H., et al. (2021). “Spinal Alignment and Sleep Posture with and without Pillows.” Journal of Sleep Research, 49(8), 345-360.