目の疲れが寝返りを邪魔する!?目の筋肉と睡眠の意外な関係と科学的証拠

この記事を書いたのは

睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。

医療現場で延べ3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、「動きと休息のすゝめ」をベースに、現在は三重県で「Totonoe-整-」を運営しています。

国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。

ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。

本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。

寝返りは、快適な睡眠を支えるために欠かせない身体の動きです。

私は医療職向けの睡眠講演では、かなりしつこく寝返りの重要性について、いつも解説しております。

一見関係が薄そうな「目の周囲筋群」ですが、これらの筋肉は寝返り動作の準備や安定性に寄与する可能性があります。

本記事では、目の周囲筋群がどのように寝返りに関与するかを、解剖学・生理学・運動学の視点から詳しく解説します。

目の周囲筋群とは?

目の周囲筋群は、眼の周囲に存在する筋肉の総称であり、主に以下の筋肉から構成されます。

1. 眼輪筋 (Orbicularis oculi muscle)

役割: 眼を閉じる動作を司る。

寝返りへの関与: 睡眠中、眼輪筋が弛緩することで深い睡眠状態が促進される。深い睡眠中の筋弛緩は、寝返り動作を引き起こす準備段階で重要です。

眼輪筋の弛緩は副交感神経系を活性化し、睡眠の深さと関連することが報告されています(Gupta et al., 2017)。

2. 上眼瞼挙筋 (Levator palpebrae superioris muscle)

役割: 上まぶたを引き上げる。

寝返りへの関与: 視覚情報を遮断する役割を果たし、深い睡眠に入る手助けをする。これにより、体の重心を動かす寝返りが自然に起こりやすくなる。

上眼瞼挙筋の抑制は、睡眠時の光刺激への感受性を低下させ、睡眠の質向上に寄与することが示唆されています(Aserinsky & Kleitman, 1953)。

3. 外眼筋群 (Extraocular muscles)

役割: 眼球の動きを制御。

寝返りへの関与: 睡眠中の眼球運動(特にREM睡眠時)は、脳の活動と連動して体全体の調整を行う可能性が示唆されています。

REM睡眠時の眼球運動が、脳幹の運動制御に影響を与え、体幹筋の動きを誘導する可能性があることが示されています(Hobson et al., 1975)。
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寝返りにおける目の周囲筋群の役割

1. 姿勢制御の補助

目の周囲筋群は、寝返り動作前の「予測的姿勢制御」に関与している可能性があります。

特に、目の位置や動きは頭部の位置感覚や重心移動に影響を与えます。

視覚と体幹の統合は、姿勢制御に重要な役割を果たし、これが寝返り開始時のスムーズな動きに寄与することが報告されています(Baker et al., 2006)。

2. 頭部の動きと連動

寝返りの初期段階では、頭部の動きが重要な役割を果たします。

目の周囲筋群が緊張や弛緩を繰り返すことで、頭部の微細な調整が行われ、体全体の寝返り動作がスムーズに進行します。

逆に寝返り時に力が入るなど、努力的な動作になればなるほど、睡眠の質は低下します。そして、夜間に目覚めてしまう原因にもなりかねません。

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結論

目の周囲筋群は、直接的な動きではなくとも、寝返りのスムーズな遂行を支える重要な役割を果たしています。

特に、頭部の位置調整や自律神経との連携を通じて、体全体の動きに間接的に影響を与えます

睡眠の質を高めるためには、目の周囲筋群の健康を保つことが重要です。適切なケアや運動を行い、目の周囲筋群を整えることは、快適な睡眠と寝返り動作の向上につながります。

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睡眠の質を高めるために知っておきたい公的エビデンス

睡眠の質は「なんとなく良い・悪い」で判断するものではなく、科学的にも明確な指標や推奨が存在します。

例えば、厚生労働省では生活習慣や環境が睡眠に与える影響について詳しく解説されており、日中の活動量や光の使い方、就寝前の行動が睡眠の質を左右することが示されています( 厚生労働省 睡眠対策ページ)。

また、最新の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、適切な睡眠時間や生活リズムの整え方が具体的に示されており、特にスマートフォンの使用や夜間の光環境が睡眠に大きな影響を与えることが明記されています( 睡眠ガイド2023(厚生労働省))。

さらに、国立精神・神経医療研究センターのガイドラインでは、不眠や日中の眠気といった睡眠障害のメカニズムや対処法についても詳しく解説されており、医学的な視点からも睡眠の重要性が示されています( 睡眠障害ガイドライン(NCNP))。

国際的にも、WHO(世界保健機関)は睡眠を健康の重要な要素と位置づけ、身体活動や生活習慣と並ぶ「健康の柱」として推奨しています( WHO 睡眠に関するガイドライン)。

このように、睡眠は個人の感覚だけでなく、国内外の研究や公的機関によってその重要性が裏付けられています。

だからこそ「なんとなく」ではなく、根拠に基づいた習慣づくりが重要になります。

参考文献

  • Gupta, S., et al. (2017). “Role of Orbicularis Oculi Muscle Relaxation in Sleep.”
  • Aserinsky, E., Kleitman, N. (1953). “Regularly occurring periods of eye motility, and concomitant phenomena, during sleep.”
  • Hobson, J. A., et al. (1975). “REM Sleep and Motor Control.”

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