
この記事を書いたのは
睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。
医療現場で延3万人以上の睡眠と身体の悩みに向き合い、「動きと休息のすゝめ」をベースに、現在は「Totonoe-整-」を運営しています。
国家資格である作業療法士として、姿勢や動作の専門知識をもとに、科学的かつ実践的な睡眠改善を提案しています。専門職の育成や技術指導にも携わっています。
ブログ以外にも、書籍出版や講演、教育機関での授業など、睡眠のことをお伝えしています。
本ブログでは、医学的根拠と臨床経験に基づいた“リアルに使える睡眠情報”を、誰にでもわかりやすく、かつ深掘りしてお届けしています。
ベッドフレームを買おうと思って調べてみると、種類が多くて迷いますよね。
すのこベッド、収納付きベッド、ローベッド、脚付きベッド。木製や金属製など、素材にも違いがあります。
デザインや価格は比較できても、
「結局、何を基準に選べばいいのか?」
ここが分かりにくいと思います。
最初にお伝えすると、ベッドフレームは見た目だけで選ぶものではありません。
マットレスを安定して支えられるか。身体に合った高さか。湿気がこもりにくいか。掃除を続けやすいか。寝返りをしても、音や揺れが気にならないか。
私は、こうした機能性と生活のしやすさから選ぶことが大切だと考えています。
そして、私の中では前提があります。
ベッドは、眠るための場所です。
スマートフォンを見たり、仕事をしたり、食事をしたりする場所ではありません。
便利な機能を増やすことよりも、身体を休め、安心して眠れる環境を整えることを優先したいと思っています。
この記事では、睡眠と身体を専門的に見てきた作業療法士の視点から、ベッドフレームの選び方を解説します。

ベッドフレーム選びで大切な6つのポイント
私がベッドフレームを選ぶときに見てほしいのは、次の6つです。
1.マットレスを安定して支えられること
2.身体に合った高さであること
3.湿気を逃がしやすい構造であること
4.ベッド下や周囲を掃除しやすいこと
5.きしみや揺れが少ないこと
6.寝室の広さや生活動線に合っていること
高級なベッドフレームだから、自分に合うとは限りません。
収納が多ければ使いやすいとも限りません。
身体、マットレス、寝室の広さ、掃除の習慣まで含めて選ぶ必要があります。
ベッドフレームは、マットレスを支える土台
睡眠中に身体へ直接触れ、寝姿勢を支える中心となるのは、枕とマットレスです。
マットレスの硬さや支持性が変われば、身体の沈み込み方や体圧の分布、脊柱のアライメントも変わります。マットレスに関する研究でも、硬さや支持構造と、快適性、睡眠、脊柱アライメントとの関係が検討されています。【E1】
では、ベッドフレームは睡眠と関係がないのでしょうか?
そうではありません。
ベッドフレームは、マットレスを安定して支え、適切な高さをつくり、マットレスの下に空間を確保するための土台です。
ただし、ベッドフレームの種類を直接比較して、「このフレームなら睡眠の質が高くなる」と示した研究は、現時点では限られています。
ベッドフレームが睡眠を良くするというより、マットレスの性能や睡眠環境を邪魔しないことが大切だと考えたほうがよいでしょう。
最優先は、マットレスを安定して支えられること
私は、身体に合う寝具とは、寝た瞬間に気持ちいいだけではなく、
一晩を通して寝姿勢(Sleeping Alignment)が崩れにくい寝具
だと考えています。
どれだけ身体に合うマットレスを選んでも、その下のベッドフレームがたわんでいたり、中央部分が沈んでいたりすれば、マットレス本来の支持性を生かせない可能性があります。
確認したいのは、次のような部分です。
- マットレスとフレームのサイズが合っているか
- 中央部分を支える梁や脚があるか
- 床板やすのこが大きくたわまないか
- 人とマットレスの重量を支えられる耐荷重か
- 接合部分にガタつきがないか
- マットレスメーカーの設置条件を満たしているか
特に注意したいのが、すのこの間隔です。
マットレスには、ウレタン、ラテックス、ポケットコイルなど、さまざまな構造があります。マットレスによっては、すのこの隙間が広すぎると、安定して支えられなかったり、保証の対象外になったりすることがあります。
「すのこベッドなら、どのマットレスでも置ける」
とは限りません。
ベッドフレームとマットレスは別々の家具ではなく、身体を支える一つの寝具システムとして考える必要があります。
私は「1人につき1つのマットレス」をすすめています
夫婦やパートナーで眠る場合、ダブルやクイーンサイズの大きなマットレスを1枚購入する人も多いと思います。
ただ、私は基本的に、1人につき1つのマットレスで眠ることをおすすめしています。
一緒に寝てはいけない、という意味ではありません。
同じベッドフレームの中に、シングルサイズなどのマットレスを2枚並べて、一緒に眠る方法もあります。
なぜ1人1つなのか。
人によって、体格、体重、肩幅、骨盤の幅、寝姿勢、好みの硬さが違うからです。
身体の大きな人と小さな人。
仰向けで寝る人と横向きで寝る人。
硬めが合う人と、ある程度沈み込みが必要な人。
二人の身体条件が違うのに、1枚のマットレスで同じ支持性を求めることには、どうしても限界があります。
マットレスの研究でも、体格や寝姿勢によって適切な支持条件が異なる可能性が指摘されています。【E1】
また、1枚のマットレスを共有すると、相手の寝返りや体動が伝わることがあります。
二人で眠ること自体には、安心感や主観的な睡眠の良さにつながる可能性があります。一方で、研究全体を見ると、ベッドを共有したときの主観的な満足感と、客観的な睡眠指標が必ずしも一致しないことも報告されています。【E2】
だからこそ、
一緒に眠ることと、同じ1枚のマットレスで眠ることは分けて考えてよい
と私は思っています。
マットレスを1人ずつ分けておけば、それぞれの身体に合わせて硬さや構造を選びやすくなります。
一方だけが先に劣化した場合も、その人のマットレスだけ交換できます。寝返りの振動も、1枚の大きなマットレスより伝わりにくくなることがあります。
二人で使うベッドフレームを選ぶ場合は、単純にダブルサイズを見るのではなく、シングルマットレスを2枚並べられるサイズや構造も検討してみてください。
ただし、マットレスの間に隙間や段差ができる場合があります。固定用のベルトや隙間パッドを使用するなど、安全に使えるように調整する必要があります。
\よく読まれるノート/
ベッドの高さは二つに分けて考える
ベッドの高さを考えるときは、二つの高さに分けて考えてください。
一つ目は、床からマットレス上面までの寝床面の高さです。
二つ目は、床からフレームの下までのベッド下の空間です。
同じ「高さ」ですが、役割が違います。
寝床面の高さは、起き上がりや立ち上がり、安全性に関係します。
ベッド下の空間は、通気性、湿気、掃除のしやすさに関係します。
例えば、収納付きベッドは、寝床面が高くても、ベッド下が引き出しで塞がれています。
立ち上がりやすい高さであっても、ベッド下の空気が通りやすいとは限りません。
反対に、低めのベッドでも脚があり、掃除道具が入り、空気が動く余地があれば、衛生管理しやすい場合があります。
「ベッドの高さは何センチがいいですか?」
って思いますよね?
ただ、数字だけで決めることはできません。
何のための高さなのかを分けて考える必要があります。
立ち上がりやすいベッドの高さを選ぶ
作業療法士としてベッドを見るとき、私は寝姿勢だけではなく、起き上がりから立ち上がりまでの動作も見ます。
低い場所から立ち上がるときは、股関節や膝関節を深く曲げ、重心を前方へ移動させる必要があります。
座面の高さが立ち上がり動作へ与える影響を調べた研究では、低い座面ほど、高齢者の立ち上がりに必要な力や動作の速さへ影響することが報告されています。【E3】
低すぎるベッドは、特に次のような人には負担になります。
- 膝や股関節に痛みがある人
- 腰を深く曲げにくい人
- 下肢筋力が低下している人
- 高齢者
- 片麻痺などで立ち上がりが不安定な人
- 妊娠中や手術後で動きにくい人
反対に、高すぎるベッドにも注意が必要です。
ベッドの端に座ったときに足裏が床につかなければ、座った姿勢が不安定になります。
特に夜中に目を覚ました直後は、日中より身体が動きにくかったり、ふらついたりすることがあります。
ベッドの端に座って、
足裏全体が床につくか。
膝や股関節を深く曲げすぎずに立てるか。
大きく勢いをつけなくても立てるか。
立った直後にふらつかないか。
ここを確認してください。
見るべきなのは、ベッドフレーム単体の高さではありません。
ベッドフレームとマットレスを合わせた、最終的な寝床面の高さです。

ベッドの高さで空気や衛生状態は変わるのか?
「床に近い場所は空気が汚れているから、高いベッドのほうがいい」
このような話を聞くことがあります。
確かに、室内のホコリ、衣類や寝具の繊維、皮膚由来の粒子などは、床面に沈着します。
人が歩いたり、掃除をしたり、寝具を動かしたりすると、床面の粒子が再び空気中へ舞い上がることもあります。歩行による粉じんの再飛散は、床材、湿度、ホコリの量などによって変化します。【E4】
だからといって、ベッドを高くすれば、寝室の空気が必ずきれいになるわけではありません。
室内の空気は、換気、空調、人の動き、床材などによって複雑に動きます。
大切なのは、床から何センチ離れているかだけではありません。
床にホコリをためないこと。
ベッド下を掃除できること。
寝室を換気できること。
マットレスの裏側を確認できること。
高さによって生まれた空間を、実際に管理できるか。
ここが重要です。
マットレスを床へ直接置くときは湿気に注意する
睡眠中は、身体から発生した熱や水分が寝具へ移動します。
そのため、マットレスには、上側だけではなく、下側にも乾燥できる環境が必要です。
フローリングなどの床へマットレスを直接置くと、マットレスの下面と床の間に、空気が通る余地がほとんどありません。
特に、
- 室内湿度が高い
- 寝室の換気が少ない
- 床面が冷えやすい
- マットレスを長期間動かさない
- マットレスが重く、裏側を確認できない
という環境では注意が必要です。
WHOのガイドラインでも、建物内部で湿気が持続するとカビなどが増殖しやすくなり、呼吸器症状や喘息などの健康問題と関連することが示されています。【E5】
ただ、ベッドフレームを使えば、必ずカビを防げるわけではありません。
ベッド下が収納物で埋まっている。
壁にぴったりつけている。
部屋自体の湿度が高い。
マットレスを一度も動かさない。
このような状態なら、フレームがあっても湿気が残る可能性があります。
湿気対策は、フレームだけではなく、
マットレスの素材、床板の構造、ベッド下の空間、室内湿度、換気習慣
を合わせて考える必要があります。
すのこベッドなら安心、ではない
すのこベッドは、全面を板で塞いだ床板よりも、空気が動く余地をつくりやすい構造です。
ただし、すのこを選べば、湿気対策が完了するわけではありません。
すのこの下が収納で塞がれている。
床との隙間がほとんどない。
壁に密着している。
室内湿度が高い。
マットレスの裏側を確認していない。
こうした条件が重なれば、十分に乾燥できないことがあります。
また、すのこの板が細すぎたり、間隔が広すぎたりすると、マットレスを安定して支えられない場合があります。
すのこベッドを選ぶときは、
通気性だけではなく、
空気が通ることと、マットレスを安定して支えられること
の両方を確認してください。
▼よく読まれる記事▼
掃除しやすいベッドフレームを選ぶ
ベッドフレームの選び方では、掃除のしやすさもかなり重要です。
ベッドの下には、髪の毛、ホコリ、寝具や衣類の繊維、皮膚片などが少しずつたまります。
購入直後に掃除できるかではなく、
「このベッドを3年後、5年後も清潔に保てるか?」
という視点で考えてほしいと思います。
確認したいのは、
- 掃除機のヘッドが奥まで入るか
- ロボット掃除機が通れるか
- ベッド下を目で確認できるか
- フレームを動かさなくても壁際を掃除できるか
- マットレスの裏側を点検できるか
- ヘッドボードや溝にホコリがたまりにくいか
- 汚れを拭き取りやすい素材か
という部分です。
少しだけ隙間があるものの、手も掃除道具も入らない。
このような構造は、かえって管理しにくくなります。
私は、掃除できるベッドではなく、
自分が無理なく掃除を続けられるベッド
を選ぶことが大切だと考えています。
収納付きベッドは、便利さとのトレードオフ
収納付きベッドは、限られた部屋を有効に使える便利なベッドフレームです。
収納の少ない住宅では、大きなメリットがあります。
ただ、収納力を得ることで、
- ベッド下の空間が塞がれる
- マットレスの下面を確認しにくい
- フレームが重く、移動しにくい
- 床を掃除しにくい
- 空気が動く余地が減る
ということがあります。
収納付きベッドだから、必ず湿気がこもるわけではありません。
ただ、脚付きの開放的なフレームより、清掃や換気、点検の手間は増えやすいと思います。
収納量だけで決めずに、
引き出しを外して掃除できるか。
収納内部を換気できるか。
マットレスや床板を持ち上げられるか。
ここまで確認してください。
ローベッドは見た目だけで選ばない
ローベッドは圧迫感が少なく、寝室を広く見せやすいのがメリットです。
一方で、寝床面が低すぎると、立ち上がりの負担が増えます。
また、床との隙間が狭いローベッドでは、
- 掃除道具が入らない
- ホコリを確認しにくい
- マットレスの裏側を点検しにくい
- 空気が動く空間が少ない
ということがあります。
若いときには問題なくても、膝や腰に痛みが出たときには、毎日の立ち上がりが負担になるかもしれません。
マットレスを載せたあとの高さで、実際に立ち上がれるかを確認してください。
きしみや揺れが少ないか
寝返りをするたびに、ベッドフレームがきしむ。
隣で寝ている人が動くと、フレーム全体が揺れる。
こうした刺激は、毎晩続けば気になりますよね。
ベッドフレームのきしみだけを対象にした研究は限られていますが、夜間の騒音が覚醒反応や睡眠の分断に関係することは報告されています。【E6】
展示品へ横になれる場合は、静かに寝るだけではなく、何度か寝返りをしてみてください。
横方向へ大きく揺れないか。
音が出ないか。
中央脚が床へしっかり接地しているか。
ネジや接合部分を締め直せるか。
見た目だけでは分からない部分です。
1人1つのマットレスに分けることは、相手の動きが直接伝わりにくい環境をつくるうえでも、一つの選択肢になります。
ヘッドボードは本当に必要か?
ヘッドボードには、枕が落ちにくい、壁を傷つけにくい、小物を置けるというメリットがあります。
ただ、棚や装飾が増えるほど、ホコリもたまりやすくなります。
コンセント、照明、スマートフォン置き場、本棚。
便利ですよね。
ただ、ベッドの周囲に物を置きやすくすると、ベッドで睡眠以外のことをする時間も増えやすくなります。
慢性不眠症に対する認知行動療法では、ベッドと睡眠の結びつきを保つため、ベッドを睡眠以外の活動に使いすぎないという考え方があります。【E7】
ヘッドボードがあると眠れなくなる、という話ではありません。
ただ、
「その機能は、ベッドの上で何をするために必要なのか?」
は考えてほしいと思います。
ベッドは、眠るための場所です。
必要な機能だけに絞った、シンプルなフレームも十分に合理的です。
\最新の臨床ノート/
ベッドサイズは、部屋と生活動線まで考える
ベッドサイズは、身体が収まればいいわけではありません。
特に二人で眠る場合、私は1人につき1つのマットレスをおすすめしています。
そのため、寝室へシングルマットレスを2枚置けるか。フレームや土台を分けるのか。連結できるタイプを選ぶのか。
ここまで考える必要があります。
大きなベッドを置いた結果、
- ベッドの横を歩けない
- シーツを交換できない
- 壁際を掃除できない
- 収納を開けられない
- 夜間の移動経路が狭くなる
ということもあります。
寝室に入る。
ベッドへ近づく。
腰掛ける。
横になる。
起き上がる。
立ち上がる。
部屋から出る。
この一連の生活動作が、安全にできるかを確認してください。
大きければ快適、ではありません。
ベッドを置いたあとも、寝室での生活が成立することが大切です。
ベッドフレームを購入する前のチェックポイント
ベッドフレームを購入する前に、次の点を確認してみてください。
- マットレスのサイズと設置条件に合っているか
- マットレスを均等に支えられる構造か
- 1人につき1つのマットレスを置けるか
- 中央部分を支える梁や脚があるか
- マットレス込みの高さで安全に立ち上がれるか
- ベッド端へ座ったときに足裏が床につくか
- ベッド下へ掃除道具が入るか
- マットレスの裏側を点検できるか
- 収納が通気や掃除を妨げないか
- 寝返りをしたときに音や揺れがないか
- シーツ交換ができるスペースがあるか
- 夜間の移動動線を狭くしないか
- 数年後もネジの締め直しや点検ができるか
すべてを完璧に満たすフレームはないかもしれません。
収納を優先すれば、掃除や通気性が下がることがあります。
ローベッドを選べば、部屋は広く見えても、立ち上がりにくくなることがあります。
1枚の大きなマットレスを選べば、見た目はすっきりしても、二人それぞれの身体へ合わせにくくなることがあります。
何を優先して、何を許容するのか。
ここを整理して選ぶことが大切です。
\過去の講演活動など/

プロフィールはこちら
まとめ|良いベッドフレームは、眠りと生活を邪魔しない
良いベッドフレームとは、高級なフレームでも、多機能なフレームでもありません。
マットレスを安定して支えられる。
自分の身体で安全に起き上がり、立ち上がれる。
マットレスの下に湿気をためにくい。
ベッド下や周囲を無理なく掃除できる。
音や揺れが少なく、長期間安定して使える。
そして、二人で眠る場合でも、1人につき1つのマットレスを置ける。
私は、このようなフレームが、身体と生活に合うベッドフレームだと考えています。
ベッドフレームは、枕やマットレスのように身体へ直接触れるものではありません。
ただ、土台が不安定であれば、マットレスの性能を十分に生かせないかもしれません。
掃除しにくければ、少しずつホコリがたまります。
高さが身体に合わなければ、毎日の立ち上がりが負担になります。
二人の体格や寝姿勢が違うのに、同じ1枚のマットレスを使えば、どちらかが合わせることになるかもしれません。
ベッドは、眠るための場所です。
だからこそ、デザインや収納力だけではなく、マットレス、寝姿勢、身体、空気、湿気、掃除、生活動作まで含めて選んでほしいと思います。
ベッドフレームは睡眠の主役ではありません。
ただし、毎晩眠る身体と、1人ひとりに合ったマットレスを支える、重要な土台です。

この記事を書いたのは
睡眠オタクな作業療法士 石垣貴康です。
睡眠を、ただ「眠るための方法」としてではなく、毎日の生活や心身の状態、そして人生を楽しむための土台として伝えたい。そんな想いで、この記事を書いています。
作業療法士としての臨床経験と、睡眠に関する研究や知識をもとに、難しい内容もできる限り生活に落とし込んでお届けします。
睡眠を知ることで、自分の身体や暮らしを少し大切にしたくなる。そんなきっかけになれば嬉しいです。
この記事が、身近な方の睡眠や生活を見つめ直すきっかけになりそうだと感じたら、ぜひシェアしてください。
\過去の講演情報など/

\気になるワードを入れて検索/
睡眠の質を高めるために知っておきたい公的エビデンス
睡眠の質は「なんとなく良い・悪い」で判断するものではなく、科学的にも明確な指標や推奨が存在します。
例えば、厚生労働省では生活習慣や環境が睡眠に与える影響について詳しく解説されており、日中の活動量や光の使い方、就寝前の行動が睡眠の質を左右することが示されています( 厚生労働省 睡眠対策ページ)。
また、最新の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、適切な睡眠時間や生活リズムの整え方が具体的に示されており、特にスマートフォンの使用や夜間の光環境が睡眠に大きな影響を与えることが明記されています( 睡眠ガイド2023(厚生労働省))。
さらに、国立精神・神経医療研究センターのガイドラインでは、不眠や日中の眠気といった睡眠障害のメカニズムや対処法についても詳しく解説されており、医学的な視点からも睡眠の重要性が示されています( 睡眠障害ガイドライン(NCNP))。
国際的にも、WHO(世界保健機関)は睡眠を健康の重要な要素と位置づけ、身体活動や生活習慣と並ぶ「健康の柱」として推奨しています( WHO 睡眠に関するガイドライン)。
このように、睡眠は個人の感覚だけでなく、国内外の研究や公的機関によってその重要性が裏付けられています。
だからこそ「なんとなく」ではなく、根拠に基づいた習慣づくりが重要になります。
▼オススメ臨床ノート▼
参考文献・参考情報
【E1】Wong DWC, et al. Sleeping mattress determinants and evaluation: a biomechanical review and critique. PeerJ. 2019. マットレスの硬さ、体圧分散、脊柱アライメントなどの評価を整理したレビュー。
【E2】Andre CJ, et al. The effects of bed sharing on sleep: From partners to pets. Sleep Health. 2021. ベッドを共有することによる主観的・客観的な睡眠への影響を整理したレビュー。
【E3】Demura S, Yamada T. Height of chair seat and movement characteristics in sit-to-stand by young and elderly adults. Perceptual and Motor Skills. 2007. 座面高と立ち上がり動作の関係を調べた研究。
【E4】Tian Y, et al. A comparative study of walking-induced dust resuspension using a consistent test mechanism. Indoor Air. 2014. 歩行による床面粉じんの再飛散を調べた研究。
【E5】World Health Organization. WHO Guidelines for Indoor Air Quality: Dampness and Mould. 2009. 室内の湿気、カビ、微生物汚染と健康影響をまとめたガイドライン。
【E6】Smith MG, et al. Environmental Noise and Effects on Sleep: An Update to the WHO Systematic Review and Meta-Analysis. Environmental Health Perspectives. 2022. 夜間の環境騒音と睡眠への影響を検討した系統的レビュー。
【E7】Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine. 2021. 刺激統制法を含む、慢性不眠症への行動・心理療法のガイドライン。

